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構造改革をどう生きるか

第31回
ついに正体を現した村上ファンド
~株主提案は追いつめられた断末魔の叫び~

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2006年5月15日

村上ファンドが驚きの株主提案

 5月2日に阪神電鉄株の46%を保有する村上ファンドが、阪神電鉄に対して、取締役会の過半数となる9人の取締役を村上ファンド側から選任するように求める株主提案を提出した。阪神電鉄にはもともと16人の取締役がいて、うち9人が今回の改選期に当たる。そのすべてを村上ファンドから選べというのだから、阪神側の反発も大きかった。

阪神株・会見する阪神電鉄の縄田専務 阪神株・会見する阪神電鉄の縄田専務
村上ファンドからの株主提案を受け、何度も資料を見ながら記者会見する阪神電気鉄道の縄田和良専務(大阪市福島区の同社本社)
(写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています)

 これまで村上ファンドは、株の買い占めは純投資であって、経営支配が目的ではないと主張し、企業価値を高めるための話し合いを阪神電鉄との間で行ってきたが、突然、経営支配が目的としか思えない株主提案をしたということは、方針が大きく転換したのか、そもそもウソをついていたことになる。

 阪神電鉄は「株式保有の目的が経営支配に転じたと思わざるを得ない」として、拒否の姿勢を明確にしたが、阪神にとって驚天動地だったのは社外取締役の玉井英二氏の再任が、村上ファンド側の株主提案に入っていたことだ。

 玉井氏は元住友銀行副頭取で、三井住友カードの社長も歴任した実力者だ。阪神電鉄の西川恭爾社長は玉井氏と直接対決することになったが、玉井氏は阪神側が続投を認めない限り、次期就任を辞退する意向を示している。

 なぜ、この時期に村上ファンドが株主提案をしたのかだが、阪神電鉄の株主総会のスケジュールと関係がある。総会は6月29日の予定で、その2週間前に招集通知を株主に送らなければならない。印刷・発送の作業を考えると、招集通知に村上ファンドの株主提案が記載されないようにするためには、少なくとも6月初旬までには村上ファンドと話し合って、提案を取り下げてもらわなければならない。

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