大衆増税、金持ち減税の新自由主義
新自由主義者たちの理屈はこうだ。
「皆が額に汗して稼ぐ時代は終わった。これからは、一部の有能な人材が付加価値を創造していく時代になる。庶民は、そのスタッフとして働き、分け前にあずかるだけだ。新しい時代の付加価値創造の担い手に重税を課してはならない。そんなことをすれば、有能な人たちは海外に逃避してしまう。有能な人は金持ちだ。だから、できるだけ金持ちを税制面で優遇し、そのツケを庶民に回さなければならない」
もちろん、こんなことを堂々と主張すれば、庶民の反発を招いてしまう。そこで、財務省や政治家たちは都合のいい言い訳を思いついた。増税しなければ日本の財政が破たんするという理屈だ。
日本の政府債務は昨年6月末で795兆円だ。確かにGDPの1.5倍にも達する巨額の借金だが、逆に政府は金融資産も相当持っている。その額は480兆円だ。差し引き315兆円。少なくはないがヨーロッパ諸国と比べて少し高い程度の水準であり、破たん状態などにはない。
だが、財務省は「財政破たんキャンペーン」を繰り広げ、国民の多くは「歳出削減をした上でなら」とか「社会保障のためなら」と消費税増税を受け入れるような方向に進んでいる。
政府はなんとしても大衆、特にフリーターやニートからも税金を取りたいのだ。そのためには消費税しかない。だが、放置すると、増税なしでも財政再建可能という声が大きくなってしまう。そこで、財政再建目標の引き上げという策を思いついたのではないだろうか。
消費税を1%上げると、地方に5000億円、中央に2兆円が入ってくる。GDPの2%は10兆円だから、消費税率を5%引き上げれば中央政府は10兆円を確保できる。と、なると消費税率は5%アップの10%。
消費税10%という数字は公式な発言にはないが、財務省や一部自民党幹部、および御用学者たちがずっと描いてきたイメージだ。つまりは、消費税10%を実現するためにGDP2%という数値が出てきたのではないか。
根拠のある話ではないが、あまりにつじつまが合いすぎる。国民は眉につばして、基礎的財政収支を巡る議論を注視すべきだろう。
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