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構造改革をどう生きるか

第30回
消費税10%にこだわる財務省と自民党
~増税なくして財政再建は可能~

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2006年5月8日

基礎的財政収支の目標上積みの背景

 去る3月16日に開催された経済財政諮問会議において、ある民間議員が、2015年度に基礎的財政収支(プライマリーバランス)をGDPの2%程度の黒字とするべきだと提言した。その理由は「公債残高を持続的に低下させるには2%程度の黒字が必要だ」というものだった。

 もっともらしい話だが、この提言の裏には財務省と自民党幹部の、ある作戦が隠されていると私は思う。

 基礎的財政収支というのは、とりあえず借金は棚に上げておいて、政府に入ってくるおカネ(歳入)から、出ていくおカネ(歳出)を引いたものである。

 これまでの政府の財政再建目標は、2012年度に基礎的財政収支を黒字化することだった。ところが、この提言では2015年度までにGDP500兆円の2%、つまり10兆円もその後3年間で上積みしようということになる。

 こうした提言が出てきた背景には自民党内部の二つの勢力の争いがある。それは「中川秀直政調会長&竹中平蔵大臣連合」対「与謝野馨大臣&谷垣禎一大臣連合」である。本コラムの26回目にも書いたように、基礎的財政収支を巡って、この両グループの論争はこれまでずっと続いてきた。

 その焦点はプライマリーバランスを黒字化するだけの目標でいいのかということだ。両者の意見については26回目をご覧いただきたいが、要するに中川・竹中連合は景気回復やデフレ脱却がこのまま続けば、名目経済成長率が借金の金利を上回り、大きな増税などしなくても大丈夫という主張。これに対して、与謝野・谷垣連合は借金の金利負担が重くのしかかってくるので、増税は不可欠だという主張だ。

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