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厳しい時代に「生き残る」には

現金に弱いという庶民の性質を知り抜いていた麻生総理

 そして、3つ目の支持率上昇の要因は、高速道路料金の引き下げや定額給付金が、思いのほか国民に歓迎されたということだ。

 4月のJNN世論調査では、高速道路料金の引き下げを評価した人は57%、定額給付金を評価した人は40%にのぼった。「定額給付金は、バラマキ政策だ」と、あれだけ非難していた国民が、いざ支給が始まって金を手にしたら、手のひらを返したのだ。当初の世論調査では8割が反対していたのである。

 そこで思い当たるのが、麻生総理の当時の発言だ。
「いまは批判だらけだが、定額給付金は支給が始まれば、国民の評価が変わる」と述べ、以前からこの事態を予測していたのである。まさに、麻生総理の言う通りに世論が動いたわけだ。

 人間というものは、目の前に現ナマを出されると弱い。麻生総理は、下々の民のそんな性質をよく把握していたのである。

 さらに与党は、追加の経済対策でエコカーへの買い替えやエコ家電への買い替えに補助金を支給するという。エコカーについては、既に4月から自動車取得税と重量税の減免で最大20万円の減税が行われているところに加えて、追加減税を重ねる方針だと報じられている。おかげで、インサイトとプリウスは注文してから3カ月待ちの状態だ。まさに、麻生総理の読み通りの展開ではないか。

 少し前までは、民主党の政権奪取は確実だと言われていたのが、ここに来て、まったく風向きが変わってしまった。その理由は、単に小沢秘書問題だけではないのである。これが自民党の底力なのか、国民がお人好しなのかはわからないが、あれだけ年金問題で不祥事を重ねて、ありとあらゆる失政、景気の失速、政策の失敗を積み重ねても、対策をそれなりに打っていけば、支持率は上がるということだ。

 いくら民主党が景気対策を打っても、野党である限り実現できないし、一般の国民にはなかなか評価もされない。そう考えると、やはり与党というものは強いとつくづく感じざるをえない。

 そして、さらに追加景気対策が実施される。エコポイントの実施は5月15日からということで、エアコンの買い換え需要の高まる6月あたりになれば浸透していくだろう。またそこで支持率が上がれば、予定通りサミットに参加して「外交の麻生」をアピールしたあとで解散総選挙に持って行くことができる。完璧なスケジュールではないか。

 今回よく分かったのは、麻生総理は、漢字が読めなくても、政局は読めるというすごい能力を持っているという事実だ。もしこのままいけば、一時は支持率が1割にも満たなかった総理大臣が、最後の最後で逆転満塁サヨナラホームランを打つという奇跡が起きるかもしれない。

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