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厳しい時代に「生き残る」には

第183回:
漢字は読めなくても政局が読める麻生総理のすごい能力

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2009年5月7日

 麻生内閣の支持率が急上昇している。2月の調査で9.7%という1桁台の数字を記録した日本テレビの世論調査でも、3月調査では18.8%、そして4月3日から5日にかけて行われた調査で28.2%と上昇。わずか2カ月間に支持率が3倍近くになった。4月下旬に行われた新聞各社の支持率調査でも、やはり軒並み20%台後半の数字を示している。

 このままのぺースで上昇していけば、総選挙での与党の勝利ラインと言われる支持率40%も視野に入ってきた。しかも、総理大臣にふさわしい人物として、麻生太郎が小沢一郎を再逆転している。

 ホテルのバー通い、相次ぐ失言、漢字の読み間違い、中川前財務大臣のろれつのまわらない記者会見など、さまざまな問題で国民の不興を買い、発足以来、支持率を下げてきた麻生内閣である。こんな事態を誰が想像していただろうか。

 多くの人が指摘するように、支持率回復の主な原因は次の3つであると考えられる。

1.小沢一郎民主党代表の公設秘書逮捕
2.北朝鮮のミサイル発射問題
3.高速道路料金の引き下げ、定額給付金の実施

 これに対して、「敵失に乗じただけ」「軍事的な緊張を利用した」「増税を前提とした単なるバラマキ」といった批判が評論家やメディアの間にあるのは事実である。だが、支持率の数字を実際に上下させるのは、評論家でもなくメディアでもなく、一般の国民だ。つまり、こうした事件や政策を通じて、庶民にどうアピールしてきたかが問題なのである。

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