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構造改革をどう生きるか

第181回:
3月に景気が底入れしたと考えるいくつかの根拠

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2009年4月21日

 去る4月1日、3月調査の日銀短観が発表された。それによると、大企業製造業の景況感を示す業況判断指数(業況判断DI)がマイナス58となり、1974年5月の統計開始以来、過去最悪の数字を記録した。

 この数字は、景況感が「良い」と答えた企業の割合から「悪い」と答えた割合を引いたものであり、前回の昨年12月の調査からの下落幅についてみても、大企業と中小企業、製造業と非製造業を問わず、軒並み過去最大あるいはそれに近い下落となった。

 当然、新聞やテレビなどでは「過去最悪」が強調され、かなりセンセーショナルに報道された。だが一方で、同じ短観で発表された3カ月先、つまり今年6月の景況感予測が、約3年ぶりに改善されたことにはあまり触れられていなかったように見える。

 一方、日経平均株価を見ると、3月10日に直近の底値である7055円をつけ、当時は5000円台まで下落するのではないかと言われていた。ところが、その後は上昇傾向に転じて、現在では9000円をうかがうあたりまで回復している。7000円だったものが9000円を超えようとしているのだから、比率で考えればかなりの上昇だ。

 わたしは、この株価上昇は、一時的現象ではなく、景気が底入れしたことの反映なのではないかと考えている。なぜなら、日銀短観の3カ月先予測以外にも、明るい指標がいくつか現れてきているからだ。

 もちろん、現在の日本経済がかなり悪い状態であることは確かだ。前回書いたように、一歩間違えればデフレの危機も迫っている。しかし、だからといって、すべてがお先真っ暗だというわけではない。

 これまでは悲観的な観測ばかりをせざるをえなかったが、ここにきて発表されたさまざまな数字を虚心坦懐に読んでいくと、3月に日本経済が底を打った可能性も見えてきた。あえて言えば、「真っ暗の先にほんの少し光が見えてきたかもしれない」というのがわたしの印象である。

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