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構造改革をどう生きるか

第180回:
なぜ誰もデフレの危機を叫ばないのか

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2009年4月14日

 3月27日、総務省が2月の消費者物価指数を発表した。市況の影響を受けやすい生鮮食品を除くと、前年同月比は1月に続いて0.0%。昨年12月以来、0.2%、0.0%、0.0%と3カ月連続でほぼ横ばいを記録した。

 つい最近まで、原油や穀物の国際相場の高騰を受けて、消費者物価指数はかなり高い値を示していたことはご承知の通りである。昨年6月から9月にかけては2%前後を推移。原油価格がピークとなった7月には、上昇率が2.3%(生鮮食品を除いた値は2.4%)を記録したことは記憶に新しい。

 そのときのメディアは、「インフレ到来」とこぞって報道していたが、もちろんこれは経済が拡大するなかでの物価高ではなく、あくまでも輸入価格上昇が原因の物価高であった。

 実は当時から、本質的に日本経済はずっとデフレ体質であったことは、「第152回 総裁選どころじゃない、この景気の悪化!」で述べた通りである。

 そして、原油や穀物のバブル崩壊によって国際相場が下落した。表面的な物価の値上がりは終結して、恐ろしいデフレが顔をのぞかせようとしているのが現在の日本経済の姿である。

 しかし、少し物価が値上がりしただけで、あれだけ「インフレ、インフレ」と騒いでいたメディアやエコノミストが、現在のような物価下落の危機に直面しているにもかかわらず、ほとんどデフレを問題にしていないのは不思議でならない。森永はまたデフレの話題かと言われそうだが、ここまで世の中がデフレに無関心である以上、何度警告を繰り返しても足りないくらいだと思うのだ。

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