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構造改革をどう生きるか

渡辺氏が第二の小泉純一郎になる恐れと可能性

 わたしがもっとも気がかりなのは、渡辺氏が自民党から除名されていないことである。自民党はあれだけひどく批判されながら除名処分にしていない。離党も除名も似たようなものに聞こえるかもしれないが、この二つは天と地ほどの違いがある。除名されると二度と戻れないが、離党ならば将来復党できるのである。

 となると、政界再編後に、彼が自民党を中心とする新しいグループと連携して、そのトップになることは十分にあり得る。それを計算に入れて、自民党とつかず離れずに行動しているのではないか。そして自民党も、渡辺氏に利用価値があると見ているから、あえて除名処分にしないのではないか。

 わたしが今一つ渡辺氏の行動を信用できないのは、彼が行革担当大臣をしていたときのことにさかのぼる。渡辺氏は、「天下りの温床になっている雇用・能力開発機構を廃止するのだから、それが運営する私のしごと館も廃止になる」と宣言した。

 ところがふたをあけてみると、雇用・能力開発機構は、その機能を残したまま、高齢・障害者雇用支援機構と統合されるだけに終わり、天下りはなくならなかった。結果的に、修学旅行生を中心に年間23万人が体験学習を行う「私のしごと館」が廃止になっただけであった。

 渡辺氏は雇用・能力開発機構が廃止されなかったことに不服を唱えているようだが、政治家は結果がすべてである。「私のしごと館」という目に見えて派手に赤字を出しているもの--しかし雇用・能力開発機構の中では一番まともだった部分だけが廃止されて、利権構造にはほとんど手がつけられなかったのだ。

 考えてみれば、小泉元総理も同じだった。彼は天下りの禁止を唱えながら、結果的に一切禁止することはなかった。独立行政法人を作って表面上の公務員の数は減らしたが、それは看板のすげかえに過ぎず、むしろ天下りは増えてしまったのである。

 本来ならば、自民党という政党は今世紀になった時点で終わっているはずだった。ところが小泉純一郎という「スター」が登場したことで、自民党政権が8年間も延命されてしまったのだ。

 それと同じことが渡辺氏によって起こらないとも限らない。たとえ現時点で彼の言っていることが正しいとしても、総理大臣になって以後もそれを貫徹できるのだろうか。むしろ、パフォーマンスに国民が乗せられてしまい、結果的に自民党延命の救世主になってしまっては国民のためにならないと思うのだ。

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