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構造改革をどう生きるか

白川総裁就任の時点で予想された現在の状況

 いまさら言うまでもなく、日本経済は非常事態に陥っている。日銀が発表した12月の短観では、大企業製造業の業況判断指数がマイナス24となり、9月に行われた前回調査から21ポイントも低下した。これだけ大幅な悪化は、1974年8月以来、史上2番目である。

 11月の景気指標をみても、国内新車販売台数は前年同月比27.3%減、工作機械受注に至っては62.2%減と過去最大のマイナスを記録している。日本でゼロ金利政策が導入された1999年2月と比較しても、現在の経済状況のほうが明らかに悪いのである。

 そんな状況のなかで、白川総裁は何を恐れているのか。すさまじい勢いで物価が下がりつつある現在、ゼロ金利にしたからといってインフレになるはずもないのである。昨年12月の利下げは、遅きに失した上に中途半端であることは誰の目から見ても明らかである。

 ここまで急激な円高となった責任の多くは、日銀にあるとわたしは考える。金融危機発生直後から先進諸国が積極的な金融緩和に向かったにもかかわらず、日本だけが引き締め姿勢を見せていたからだ。これでは円が買われるのは当然の成り行きである。

 わたしは、円高自体は悪いことだとは思わないが、あまりに急激な円高がよくないのは言うまでもない。輸出を手がける製造業が、その事態に対応できないからだ。

 いまさら昔のことを言ってもいけないが、現在のような状況は、すでに白川氏を日銀総裁に任命した時点から、ある程度予想されていた。

 ご記憶に新しいと思うが、もともと政府は武藤敏郎副総裁の総裁昇格を内定していた。もし、財務省出身の武藤氏がそのまま総裁に就任していたら、もっと機動的な金融緩和に踏み切っていたに違いない。これだけ激しい円高を招くこともなく、日本経済もここまで落ち込むことはなかっただろう。

 ところが、武藤氏の総裁就任に横やりを入れたのが民主党であった。その言い分は、国際金融に通じた人がよいからというものであったが、到底信じられない。

 それが本当ならば、なぜ伊藤隆俊東大教授の副総裁就任を認めなかったのか。伊藤氏ほど国際金融に通じた人はほかにいない。結局のところ、民主党の本音は金融緩和傾向にある財務省出身者の拒絶であったのだ。

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