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構造改革をどう生きるか

第166回:今こそ、財政・金融政策の出番だ

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2009年1月5日

 昨年の12月19日、日銀は短期金利の誘導目標を0.2%引き下げて0.1%とした。それに先立つ12月16日には米国が事実上のゼロ金利政策を採り、スイスも4年ぶりのゼロ金利に踏み込んでいる。当然、市場は日本のゼロ金利導入を織り込んでいたのだが、なぜか0.1%が残されてしまった。

 この金融危機に直面して、ゼロ金利は避けられないところである。それどころか、特にデフレリスクの高い日本においては、それより先の金融政策で量的金融緩和政策が必要とされていたのである。

 では、なぜ0.1%が残されたのか。その理由は明らかだ。日銀が日本経済を守ることよりも自分たちの体面を守ることを優先したからである。

0.2%利下げという奇妙な数字が示す日銀の体質

 話は昨年の10月8日にさかのぼる。米国発の金融危機を受けて、米欧6カ国の中央銀行が協調利下げに踏み切ったのだが、日銀はそれに同調しなかった。その直前に行われた共同声明に加わったにもかかわらずである。

 国会でもさんざん「日銀はおかしい」と追及されたあげく、ようやく10月31日になって、0.5%から0.3%への引き下げを発表した。

 だが、この0.2%の利下げというのは非常に奇妙な数字であった。というのも、先進国における金利の変更は、通常0.25%単位で行われるからだ。ではなぜ、日銀は0.2%という中途半端な引き下げをしたのか。それは、ゼロ金利だけは絶対に避けたいという日銀の決意表明だったのである。

 もし、10月に金利を0.25%引き下げてしまうと、その次の引き下げでゼロ金利になってしまう。ところが、0.2%にとどめておけば、次回同じ幅で引き下げても、金利が0.1%残るというわけだ。

 実にセコい発想である。まさか本当にそんなことをするのだろうかと思っていたら、12月19日に本当にやったのには驚いた。このこと一つを見ても、日銀は日本経済よりも自分たちの体面のほうが大切なのだということが、よく分かった。

 これでは、市場も日銀の姿勢を疑うのは当然だろう。その後も円高が止まらないのは、日銀に大きな責任があることは間違いない。

 報道によれば、8人の審議委員のうち3人は0.25%の引き下げを主張して、0.2%引き下げ案に反対したそうだが、最終的には賛否同数となって白川方明総裁が原案どおりの引き下げを決断したという。

 日銀プロパーの白川総裁は、金融危機に対して「深刻に受け止めている」と述べているが、それよりも日銀の面子のほうが大事であるように見えてしかたがない。

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