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構造改革をどう生きるか

第164回:庶民の手元にカネを回す税制改革を

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2008年12月15日

 12月12日、自民・公明の両党は、与党税制改正大綱を発表した。メディアで既に大きく取り上げられているので、ご存じの方も多いだろう。

 報道では分かりにくいかもしれないが、現在の税制改革論議には2つの課題がある。1つは、今回発表された来年度の税制改正。もう1つは、2010年代前半に実現を目指す税制改革の「中期プログラム」の作成である。

 いわば、短期政策である来年度の税制改正と、中長期政策である中期プログラムが同時に議論されているのだ。

 中期プログラムについては、消費税引き上げの税率と時期を明記するかどうかが注目されており、今年中にまとまるかどうか予断を許さない状態だ。総選挙への影響を懸念して、増税については触れたくないという声が与党内に強いからだ。

 こうした与党の態度に対して、メディアからは「増税幅に加えて、引き上げ時期の明記も先送りすれば、財政再建への道筋は見えなくなる」という声もあった。どうやら、メディアも消費税導入を前提として議論しているようだ。

 だが、今回の税制論議では、もっと根本的なことが忘れられているのではないか。それは、現在の不況の分析とその効果的な対策は何かという点である。単に税収が不足しそうだからといって、広くとりやすい消費税を上げるのは間違っているとわたしは思うのだ。

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