バックナンバー一覧▼

構造改革をどう生きるか

クレジットスコアは米国の格差社会をつくっている一因

 今年の年次改革要望書に書かれていた驚くべき事項とは何か。それは、日本でも「クレジットスコア」を導入しろというものだ。

 クレジットスコアとは、いわば個人の信用評価点で、個人ごとに300点から850点の点数がつけられている。もともとは融資やクレジットカードの審査効率化のために導入されたもので、その点数によってどれだけお金を貸してもいいかを測る目安としているわけだ。

 クレジットスコアを審査する機関はいくつかあるが、算定基準は公表されていない。ただ、基準の一つとして明らかなのは、クレジットカードの利用履歴である。カードの引き落としができなかったり、キャッシングの支払いが遅れたりするといった返済事故が起こると点数が落ちる。

 確証はないが、借金の額が増えるとクレジットスコアは下落し、収入や資産が増えると上昇するといわれている。ただし、どの要素がどれだけウエイトを持つかという詳細は分からない。

 クレジットスコアは、個人の格付けと考えると分かりやすいだろう。点数が高ければ優良顧客であり、低ければ信用力の劣った客である。だから、銀行で住宅ローンを借りたくても、クレジットスコアが一定以上ないと受け付けてもらえない。そうした信用力の低い客に対するローンがサブプライムローンだったわけだ。

 そして、クレジットスコアの高低によって、ローンの金利が違ってくる。いま述べた住宅ローンだけではなく、自動車ローンでも、400点台の人と800点台の人とでは金利が倍ぐらい違ってくる。

 厄介なのは、いったんクレジットスコアが落ちると、社会生活がスムーズにいかなくなっていくことだ。新たにクレジットカードがつくりにくくなったり、金利が高くなったりという悪循環を繰り返し、ますます暮らしにくくなってしまう。米国の格差社会をつくっている一因と言っても過言ではない。

 そんな数字は気にしなければいいと言われるかもしれないが、そうはいかないのが米国の実情なのである。個人の信用を測る物差しとして、クレジットスコアほど明確な数字はないからだ。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

 
 

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。