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構造改革をどう生きるか

高い付加価値を持った製品やサービスをつくることこそが大切

 時代は大転換を迎えている。ここ30年にわたって全世界を荒し回った金融資本主義は、ようやく終結しようとしている。「金を持っている人が利益をあげれば、経済はうまくまわる」というモデルは破綻したのである。発想を切り換えないといけないのだ。

 このまま資本家が自分のカネを増やすことばかり考えて、人件費を削減して自分の取り分を増やしていったらどうなるか。消費者の所得が減って需要は増えないので、需給バランスが悪化して物価が下がり、深刻なデフレが起きる。しまいには、恐慌に突入してしまいかねない。そうなれば、企業にとっても痛手なのだから、そろそろ日本経団連も目を覚まして、賃金を増やすことを考えてほしいものだ。

 「でも、日本の人口が減少するのは明らかだろう。森永は、移民以外に何かいい対処法を持っているのか」という反論される方もあるだろう。

 わたしが総理大臣になったら、本当の意味での構造改革をやってみたいものだ。低賃金労働力を使うのではなく、誰もがゆったりと暮らして、もっとクリエイティブな活動に専念するように推奨する。とりあえず、夏休みを1カ月とり、残業もやめるようにと勧告するだろう。

 こういうと、すぐ「森永はまた大ボラを吹いているが、そんなことでは経済はまわらない」としたり顔で批判する人がいる。だが、そんなことはない。たとえば、イタリアという国は、そんな感じでまわっているではないか。

 イタリアは、国土の面積が日本とほぼ同じで人口は約半分。しかも、日本と同じように高齢化社会である。ところが、一人当たりのGDPは日本とほぼ同じなのだ。いや、夏はたっぷりとバカンスをとり、労働時間は日本より少ないのだから、実質的に日本よりも一人当たりの所得は多いといっていい。

 なぜそんなことが可能なのかといえば、それは、高付加価値の製品をつくっているからだ。革製品やブランドの服など、イタリア製品といえば付加価値の高さによって世界市場で受け入れられている。もちろん、イタリアにだってさまざまな問題が存在しているが、少なくとも今の平均の日本人よりは、伸び伸びと暮らしているのは間違いない。

 そんないい先例があるではないか。現に日本でも、アニメやマンガをはじめとするクリエイティブな文化が、クールなものとして世界で評価されはじめたところである。それをもっと伸ばす方向を考えてみればどうだろうか。

 そのためには、若い人がもっと創造的になれる環境づくりが大切だと思うのだ。歩行者天国を禁止したり、メイド服で歩いているだけで取り締まったりするのは、方向が逆なのである。

 そして何よりも、本当に人口を増やしたいのならば、若い人がきちんと結婚できて、子どもがつくれるような給料を出すことが先決である。

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