第16回
政界をハト派とタカ派で再編せよ!
~玉虫色の民主党憲法案の問題点~
経済アナリスト 森永 卓郎氏
2006年1月30日
憲法問題が民主党最大の内部矛盾
衆院代表質問・論戦スタート
代表質問に立つ民主党の前原誠司代表(写真左)と答弁する小泉純一郎首相(東京・国会・衆議院本会議場)
(写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています)
昨年12月、民主党は党のシンクタンクとして「公共政策プラットフォーム」(略称『プラトン』)を設立した。これまで政党は霞ヶ関の役人たちをシンクタンクとして依存してきたわけだが、“省益”に走る中央官庁ばかりを当てにすると政策がねじ曲げられてしまう。
アメリカはこれまでに政党のシンクタンクを育てており、政策立案に大きな機能を果たしている。その意味で民主党のシンクタンク設立は有意義なことだと思う。ただ早速、自民党も民主党のマネをして、去る1月に日本経団連と共同でシンクタンクを設立することを発表した。よいアイデアもすぐにマネされてしまうところが民主党の弱さだが……。
せっかくシンクタンクを作ったのだから、民主党にはぜひ、憲法改定問題を再度、検討してもらいたいと思う。というのも民主党の最大の内部矛盾が憲法問題だからだ。
昨年10月に民主党は憲法改定に対する基本的見解である「憲法提言」を発表した。民主党の代表にタカ派の前原誠司氏が就任したため、自民党のタカ派と組んで、一気に憲法改正に走り出すのではないかと心配していた。なぜなら民主党は憲法調査特別委員会を衆議院に設置することに賛成していたからだ。
前原代表は、「自衛隊の位置付けが不明確だからこそ暴走の可能性がでてくるので、憲法で自衛権を明確に規定し、行動を制約すべきだ」というのが持論だ。自衛権には「集団的自衛権が含まれる」とも語っている。
自衛権には個別的自衛権と集団的自衛権があり、集団的自衛権を含むとなると、同盟国のアメリカがどこかで戦争を起こしたら、日本も参戦しなければならないということになる。何しろアメリカは世界で一番、戦争好きな国だから、集団的自衛権を認めたら、日本が戦争に巻き込まれるリスクは格段に高くなる。私はそれを心配していたのである。
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