第157回
米国より株価下落率が大きい日本経済への処方せん
経済アナリスト 森永 卓郎氏
2008年10月27日
米国の金融危機が底なしの様相を呈している。ニューヨーク・ダウは10月6日に1万ドルを割って以降も下落が続き、10月24日には8379ドルと5年半ぶりの安値で終えた。
一方、株価下落は日本も続いており、10月24日の日経平均株価は、終値で7649円と8000円台を割り、バブル崩壊直後の最安値直前まで下落した。
わたしは、米国の株価下落については仕方がないと思う。なぜなら、米国は、この十年間に巨大な信用バブルをつくりだしてしまったからだ。サブプライムローン問題は、その一端でしかなかった。証券会社、投資銀行が、金融工学という名を借りて詐欺同然の商品をつくり出し、庶民もまたそれに乗ってマネーゲームにかかわってきたツケが、一気に出たといってよい。
しかし、日本の株価のここまでの下落は異常である。日本の庶民は米国ほどマネーゲームにかかわってこなかったし、企業の多くも米国とは違ってモノづくりの伝統を捨ててはいない。
ところが、リーマン・ブラザーズ証券の経営破綻直前の9月12日からの株価下落率を比較してみると、米国が27%であるのに対して、日本は37%とはるかに大きいのだ。米国発の金融危機であるのに、なぜこんなことが起こっているのか。
ある人は、リート(REIT、不動産投資信託)のニューシティ・レジデンス投資法人、そして大和生命保険と経営破綻が続いたことでパニックになったことが一因であるという。またある人は、円高による輸出産業へのダメージが大きいからだという。はたして真の原因はどこにあり、どのような対策があるのか。そして、株価の底はいつ見えるのだろうか。
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