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構造改革をどう生きるか

米国がかつての英国の轍を踏んでいる

 では、いま米国で何が起ころうとしているのか。わたしは、100年前の英国の二の舞になると見ている。

 19世紀後半から20世紀はじめにかけての英国では、パクス・ブリタニカといわれる覇権の時代が続いた。18世紀の後半に始まった産業革命によって、英国は世界の工場になって経済が発展。その金で強大な軍事力をつくりあげ、世界を支配して植民地を各地に作ってきたのである。

 一方で、英国の通貨であるポンドが基軸通貨になり、世界中がポンドを欲しがるようになる。そうして、ポンドの価値が高くなったところで転機が訪れた。

 自国の通貨が上がれば輸出は不利になる。輸出してももうからないのだが、金はどんどん入ってくる。そこで彼らはどう考えたか。「それなら世界の高利貸しで生きるのが一番だ」と金融に走り、ものづくりを捨てていったのだ。

 やがて英国は覇権を維持するための軍事費がかさむ一方となり、財政は赤字に転落する。しかし、ものづくりを捨ててしまったものだから、赤字増大に拍車がかかる。20世紀に入ると、とうとう米国に借金をするようになり、最後には、どうにもならなくなって米国に覇権が渡ることになったのだ。

 ひるがえって現在の米国を見ると、まさに同じことをしているのではないか。1960年代まで、米国は世界の工場だった。若い人は知らないかもしれないが、自動車はもちろん、テレビ、洗濯機、冷蔵庫にいたるまで、メイドインUSAは憧れの的だったのだ。

 ところが、いま米国製品で欲しいものがあるかといえば、まったくない。ものづくりをすっかり捨ててしまったためである。ドルを基軸通貨として高利貸しに走ったのも、英国と同じである。

 軍事力を増大させることで世界を支配しようとしたのも英国とそっくりだ。そして、軍事費の増大が莫大な財政赤字を生んでしまった。何から何まで、英国の轍を踏んでいるのである。世界の高利貸しとして長期間君臨してきた国は、歴史上一つもないのだ。

 いまや、米国はグルジアに出兵する金もなくなってしまった。たとえ北朝鮮が暴れても、おそらく金がなくて抑え込むことはできないのではないか。

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