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構造改革をどう生きるか

米国の証券会社と格付け会社がグルになってやってきたこと

 破綻したリーマン・ブラザーズの名を聞いて、ホリエモンによるニッポン放送買収騒ぎを思い出した人もいるだろう。ライブドアが発行したMSCBという新株予約権付社債を引き受けることで、800億円という資金を出した証券会社だ。ライブドアの件に限らず、リーマンはそうした乗っ取りの手伝いをよくやっていた会社なのである。

 もう一つ、最近になってリーマンの名がメディアを賑わした事件として、丸紅の元社員による詐欺事件があった。元社員は、あたかも丸紅の本社が事業に絡んでいるかのように見せかけて、リーマンに約400億円を出資させ、その大半が未償還になっている。

 もちろん、リーマンは被害者なのだが、その案件は病院の乗っ取りであり、しかもリーマン側が受け取ることになっていたリターンは、半年で12.5%、1年で25%という非常に高い利回りだったと言われている。

 もちろん、だますのは悪いことだが、同時にリーマンがそうした危険な事業に手を染めていたことが、図らずも明らかになった事件であった。

 リーマンが得意にしていたビジネスは、例えば商業用不動産の証券化であった。

 米国の銀行は自己資本比率の規制を逃れると同時に、融資リスクを避けるため、あらゆるローンを証券化してきた。そこで、不動産から、クレジットカード、自動車ローンに至るまで証券化を進めてきたのである。

 証券化の流れは、リーマンのような証券会社の手によって、ビルの再開発から病院の再生にまで広がっていった。そこで、利用されたのがレバレッジというテクニックである。

 これは、投資家から集めた資金に、その何倍もの銀行融資を加えることで、より大きな資金を生み出す方法だ。レバレッジとは「てこ」という意味で、小さな力で大きなものを動かす様子に例えた用語である。

 そのからくりをごく単純化して説明すると、次のようになる。5億円の商業用ビルを運営するとしよう。このとき、リーマンは投資家から1億円だけ集め、残り4億は銀行から借りる。すると、商業用不動産だから当然家賃が入るのだが、投資家は1億しか出していないのに、5億円分の家賃が入ることになるわけだ。

 そういうシステムにして、3年後に売却して清算するという証券をつくれば、超高利回りの証券が出来上がる。借入金は低金利の日本から借りれば利息はただ同然。それでいて総収入は5倍入ってくるのだ。

 ところが、これはひどく危険な商品でもある。利益が5倍になるということは、損失も5倍になるからだ。もし、このビルが2割値下がりしたらどうなるか。5億円が4億円になるから、1億円の損失となる。こうなると、1億円投資した投資家は全損になってしまうわけだ。

 ところが、こういう危険な証券に対して、米国の格付け会社は高い格付けを与えていた。わたしに言わせれば、証券会社も格付け会社もグルなのだが、そうやって内外の金融機関を安心させて証券を売りまくったのである。

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