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構造改革をどう生きるか

上海株暴落は単なる株バブル崩壊ではない

 中国の株価の下落は、株バブルがはげ落ちたからだという見方が強い。

 というのも、中国の国内株式市場は、中国の個人投資家が取引の主流を占めており、なかでも上海総合指数の対象になっている株で、その比率が多い。中国の個人投資家の多くは、たいして企業の財務状況を調べることもせず、マネーゲームで株式を買う傾向がある。そのため株式市場がバブルを起こしやすいのは確かだ。

 そう思って中期的な株価の動きをみると、今回の株価暴落は、トレンドを大きく上回るバブルの株価を元の水準に戻しただけのようにも見える。

 しかし、わたしにはそれだけが原因とは思えない。中国株の暴落は、もっと本質的なメカニズムが働いて起こったのではないかと考えている。

 数年前から、中国国民は「オリンピックまでは大丈夫だ」と言いながら、せっせと株式投資を続けてきた。それは、オリンピック関連の建設需要がもたらす旺盛な需要拡大によって裏付けられ、実際に株式投資家たちに大きなキャピタルゲインをもたらしてきた。

 しかし、宴は終わってしまった。その後にどうなるかは、1964年の東京オリンピックがいい先例である。「第147回 原油バブル崩壊で経済のパラダイムが変わる」でも触れたが、東京オリンピックの前年の1963年4月に1634円の最高値をつけた日経平均株価は、その後下がり続け、オリンピックの翌年の1965年7月に1020円という最安値をつけている。「昭和40年不況」と呼ばれる深刻な景気後退に陥り、初の日銀特融が山一證券に対して発動されたのがこのときである。

 前年から株価が下がり続けるのは、日本とうり二つであるが、これは偶然ではない。株価が半年先、あるいは一年先を見越して変化するものであり、オリンピックの前年には建設需要が一段落してしまうことを考え合わせれば、当然の成り行きなのである。

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