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構造改革をどう生きるか

第15回
少子化対策は“負け犬男”の救済にあり
~イケメンと金持ちに群がる女性たち~

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2006年1月23日

日本は世界で5番目に不平等な国

 先日、テレビ朝日の「朝まで生テレビ」に出演した。奥谷禮子さん、蓮舫さん、福島瑞穂さんなど、多くの女性有識者が登場したが、みなさん口をそろえて、「日本の所得税の課税最低限は先進各国の中で一番高いから、低所得者層が優遇されている」とおっしゃる。

 4年前までは確かに課税最低限は高かったが、その後、配偶者特別控除の廃止や、他の先進各国が低所得者層に有利な税制に切り替えた結果、日本の課税最低限は主要先進国の中で、一番低くなった。私がそう反論すると、全員が「それは間違っている」といい張った。

 「もし間違っていたら銃殺刑でも何でもしてくれ」と私も思わず過激な言葉を口にしてしまったが、実際、日本は近年の弱肉強食政策によって急激に姿を変えている。

 2005年2月にOECD(経済協力開発機構)が発表した報告書『所得格差と貧困』によると、日本の貧困率は加盟30ヵ国の中で5番目になった。貧困率とは国民の貧困層の割合を示すもので、OECD諸国の平均が10.4%に対して日本は15.3%と、メキシコ、アメリカ、トルコ、アイルランドに次いで高い。また日本の貧困率は90年代後半に1.6%も拡大しており、平均の拡大率0.5%に比べてハイスピードで貧困層が広がっているわけだ。

 世界一平等な「1億総中流社会」というのはもはや幻想で、日本は世界で5番目に不平等な国になってしまったということだ。

 
 

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