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構造改革をどう生きるか

小泉元総理は小池氏支持を表明するか

 さて、誰が総裁になり、総理になるかは、もちろん日本経済にとっても重要なポイントだ。本命視される麻生氏は、対外的にタカ派である点はわたしとは相容れないものの、経済面では現時点までは財政出動に積極であることを公言しており、それはわたしの考えに近い。少なくとも福田氏よりは景気回復が見込めるだろう。

 重い意味を持つのは、麻生氏が総裁になることで、森、小泉、安倍、福田と続いてきた町村派(旧森派)の支配が崩れることだ。これは、一種の政権交代に近い出来事であり、かつての自民党において、主流派と反主流派の間で政権が行き来したスタイルに、多少は近いイメージである。

 そして、麻生氏が総裁になった場合、麻生自民党 vs. 小沢民主党の総選挙は、やや小沢民主党に分があるのではないかと、わたしは見ている。

 確かに麻生氏は本命だと言われているが、現時点ではほかに与謝野馨氏、小池百合子氏、石原伸晃氏の3氏が立候補を事実上表明しており、それこそ政治は一寸先は闇だから、何が起きるか分からない。

 わたしが恐れているのは、小池氏の動向である。報道によると、推薦人が20人集まりそうだと言われているが、そこに小泉元総理の支持があれば、様相はガラリと変わるに違いない。その波は、自民党の議員や党員にとどまらず、国民全体にも及んでくるだろうとわたしは考える。

 いわゆる「小泉改革」あるいは「構造改革」という美名の下で、国民は格差拡大とデフレ不況にさいなまれ続けてきた。それを身に染みて感じてきたにもかかわらず、メディアのアンケートによれば、いまだに「次の総理に適任の人物」として、小泉元総理が上位に顔を出すのは驚くほかない。

 小泉氏がバックについた小池総裁が誕生すれば、ようやくここにきて反省が見られてきた新自由主義的な弱肉強食のやり方が、復活することだろう。それをわたしは恐れているのである。

 思い起こせば、2005年10月から始まったこのコラムの「第1回 なぜ、小泉首相は地滑り的勝利を収めたか」で、わたしは小泉自民党が郵政選挙で圧勝した理由を「ユーフォリア」であると説明した。

 ユーフォリアとは、日本語では陶酔的熱狂という意味である。その内容については、当該コラムをご覧いただくとして、今回も小池総裁が誕生すると、そのユーフォリアが再現されるのではないと危惧(きぐ)するのである。そうなると、選挙に際して政策も経済も関係なくなってくる。

 そんな小池自民党に対して、小沢民主党が勝利をするのは並大抵のことではないと思うのだ。さすがに、国民が何度も同じ過ちを繰り返すことはないと思いたいが、こればかりは分からない。

 自民党総裁選にしても総選挙にしても、意外と接戦にもつれ込む可能性が高いとわたしは考えている。いずれにしても、その結果が、曲がり角に立っている日本の行く末を大きく左右するということを、ぜひとも肝に銘じておきたいものである。

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