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構造改革をどう生きるか

原油価格暴落で投機マネーの大半は消滅するしかない

 現在のような賃金抑制と物価上昇という現象は、原油市場に投機資金が集まっている限りは続くだろう。だが、前回述べたように、1年以内には必ず原油バブルは崩壊する。それまでの半年から1年は、家計は我慢が必要だという悲観的な見方しかできない。だが、それ以後の日本経済について、わたしは楽観的な見方をしている。

 投機資金が離れれば、原油1バーレル当たり数十ドルから100ドル近い暴落を引き起こす可能性は十分にある。原油1バーレル当たり1ドル上昇すると、日本経済の負担は1500億円増えると言われており、逆に言えば80ドル下落すると14兆円もの負担減がもたらされるわけだ。不況を吹き飛ばすのに十分な負担減と言えよう。

 では、原油や穀物価格が暴落したときに、どういうことが起きるのか。

 投機資金の一部は日本にやってくるだろう。それによって、国内の不動産や株式が買われ、価格が上がることは容易に想像できる。だが、それはごく一部だとわたしは見ている。おそらく、7、8割の資金は消滅してしまうのではないか。というのも、バブルの終焉というのは、投機資金がどこかへ逃げていくという終わり方をしない。いつの世も、マネーが消えて終わりとなり、破産者が続出するのだ。

 だが、今回のバブル終焉は、それだけでは終わらない。もっと、根本的な変化が世界経済にもたらされるような気がするのだ。

 ここ30年ほどの変化を長い目で見てみよう。事の起こりは、1970年代末、英国にサッチャー政権が成立して、金融ビッグバンが行われたことだった。それによって、従来の金融業とは質の違う金融業が登場した。お金を右から左に動かすことによって、人の付加価値を奪い去り(M&Aがその典型)、巨万の富を生み出すというビジネスモデルが生まれたのである。

 そうした金融資本はどんどんと膨張して、アジアの金融危機の際には、通貨当局が保有する外貨準備よりもはるかに大きな投機資金となって現れた。その投機資金がタイや韓国を攻撃して、国家を資金繰り倒産させた。金融資本はそこに乗り込んで、二束三文で不動産屋や株式を買いたたき、その後に値を吊り上げてから高値で売り抜けた。

 その金が1998年以降に日本にやってきて5年間にわたって暴れ回った。そうして日本の資産をごっそりと海外へ持ち出したわけだ。

 そこまでは勝ちが見えているレースだった。しかし、獲物とする国がなくなってしまうと、金融資本は行き場を失って、欧米の不動産投機に走ることになる。だが、そこはゼロサムであり、全員が勝てるとは限らなくなってくる。さらにそこから逃げ出した投機資金が、現在、原油や穀物市場で暴れているのだが、そのバブルがはじけたらどうなるか。

 もう、行き場所がほとんどない。なぜなら、彼らのあまりに巨大になった資金に耐えられるような投機の対象(市場)がもう残っていないのである。最後には、膨張しつづけてきた金融資本は行き場を失って消えるしかないのである。

 それで、何が起きるのか。パラダイムが変わるとわたしは思うのだ。

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