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構造改革をどう生きるか

製造業への派遣を認めたことが格差拡大を招いた

 小泉内閣時代、規制緩和の名の下に犯罪的な行為が繰り返されたことは、これまでもこのコラムで取り上げてきたが、派遣労働もまたその一つである。

 2004年、小泉内閣の下で、とうとう製造業務への派遣労働が解禁されたのだ。現在のような格差拡大が生じた最大の原因は、この製造分野への派遣労働の解禁だった。その結果、ものすごいピンハネが常態化したのである。

 製造ラインで働く派遣労働者は、多くの場合、正社員と同じ仕事をしながら、半分以下の時給しか受け取っていない。格差拡大を問題にするならば、製造業務への労働派遣を禁止すべきである。

 舛添要一大臣は秋葉原の事件を受けて日雇い派遣の禁止を言い出したが、実は、加藤容疑者は日雇い派遣ではなかった。数カ月間の期間契約で、製造業へ派遣されていたのである。まさに、小泉内閣で拡大された業務だったのである。

 加藤容疑者の時給は1300円であったという。年間2000時間働いても年収は260万にしかならない。それに対して、彼が働いていた関東自動車工業の正社員の平均年収は740万円である。おそらく、仕事の内容はほとんど変わらないであろう。それでいて、この賃金格差はなんなのだろうか。

 先日のグッドウィル廃業に伴って正社員になれた若者たちに話を聞くと、「こんなに給料をもらっていたんだ」と、まず驚いたという。裏を返せば、「こんなにピンハネされていたんだ」というわけだ。それだけではない。正社員には当然防災用のヘルメットがあるのだが、派遣社員には支給されないのだという。社員食堂に行くと、正社員は3割引なのだが、派遣社員は定価。派遣会社の多額のピンハネに加えて、勤務先の会社でもこうした格差が横行しているのである。

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