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構造改革をどう生きるか

「日本ハゲタカ宣言」をする覚悟があるか

 わたしは、株式投資で利回りを高くすることは絶対にできないと書いたが、それでも確実に高いリターンを得る方法がないわけではない。一つだけある。

 その唯一の方法とは、悪事を働くことである。

 年収1億、2億もとっているファンドマネージャーが、なぜ高いリターンをとれるのか。それは、不良債権処理にしてもM&Aにしても、株価が低迷している企業を乗っ取って、持っている資産を次々に売り払い、従業員の首を片っ端から切る。そうして、短期的な利益を出して、高値で売り抜けるという海賊的なビジネスモデルを持っているからである。

 つまり、企業を相手にハゲタカをするわけだ。純粋な投資をしていたら、年収に見合った稼ぎなど上げられるわけがない。

 彼らが稼ぐのは、けっして能力が高いからではない。ただ、ひたすら性格が悪いだけなのである。米系の投資銀行や投資ファンドに勤める人たちは、3年かせいぜい5年程度で辞める人が多いが、それも理由がある。為替ディーラーと違って、けっして激務に耐えかねて辞めるのではない。良心の呵責に耐えかねて職を辞すのである。

 だから、日本版の政府系ファンドで高い利回りを上げるつもりなら、ハゲタカになる決断をしなくてはならない。わたしは昨年、このコラムの第90回「公的年金が『ハゲタカ』に変身したら」で、公的年金自身がハゲタカになる案を提示した。もちろんこれは、あえて極端な例を挙げて、硬直化した年金運用を批判したわけだが、その後、サブプライム・ローン問題や商品投機など、ハゲタカのさらなる問題が顕在化してきたのである。

 それでも、日本がハゲタカになる覚悟があるならば、10兆円といわず、30兆、50兆という誰にもできない金を用意して、世界中の企業を相手に海賊行為をするという腹を決めて取り組めばいい。そうすれば、利回りは革命的に向上するはずだ。

 もちろん、それが道義的にいいのかどうかという議論は別である。世界中から非難されるのを覚悟の上でやるのなら、堂々と「日本ハゲタカ宣言」をすればいい。それが嫌ならば、わざわざ新しい組織をつくって、10兆円という中途半端な金を渡し、一人当たり何億円もの報酬を払う必要はないとわたしは思う。

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