バックナンバー一覧▼

構造改革をどう生きるか

速やかに総選挙をして景気対策を実施するべき

 さきほど紹介した複数の政治評論家の話が事実だとすれば、福田総理は消費税引き上げと引き換えに、内閣総辞職をする可能性があったわけだ。

 だが、そこで消費税が先送りされたことは何を意味するか。それは、福田総理が長期政権への可能性を持ったということである。つまり、次の総選挙を自民党が福田総裁で戦う可能性が出てきたわけである。このことは、日本経済にとって大きな禍根を残すことになりかねない。

 衆参のねじれ状態をいいことに、これまで福田総理は景気対策を何一つやってこなかった。このまま福田総理が居座り続けて、選挙もせずに来年秋の衆議院議員の任期満了まで選挙をせずに引っ張り続けたらどうなるか。

 現在まっさかさまに落ちている景気は、どん底にまで達することは間違いない。不況というのは、病気と同じで早期に手当てをすれば、症状も軽く回復も早い。だが、何もせずに放置して不況が深くなればなるほど戻すのが大変なのだ。

 もしかすると、多くの自民党議員にとって今回の事態は「あれ、総理は居座っちゃったよ」という苦笑をもって迎えられているようなものなのかもしれない。しかし、日本経済を考えれば笑いごとでは済まないのである。

 民主党を中心とする野党は当然のこと、自民党内でも「居座りを許してはならない」という意識を持たなくてはならないのだ。

 このコラムで何度も繰り返しているように、このままのねじれ状態では与野党とも身動きができず、何も経済政策を打ち出せないままとなってしまう。

 その結果、サブプライムローン問題をとってみても、日本が直接かかわりのない問題なのに、米国以上にここまでずるずると経済が後退してしまっている。これは、政治の責任以外の何者でもない。

 速やかに総選挙を実施して、金融政策・財政政策が柔軟に発動できる体制にしなくてはならない。民主党が勝てば衆参ともに民主党が多数となるから、ねじれは解消される。自民党が勝てばねじれ状態は続くものの、直近の民意が示されたということで積極的な政策がとれるだろう。

 九州・四国の梅雨が明けて、まもなく日本全土に暑い夏がやってくる。だが、正直な話、何もかも動かないこのような現状で、国会議員には夏休みなどとってほしくない。現状を動かして、不況を脱するのは政治家の責任である。

 来秋まで総選挙を延ばしては、本当に日本はダメになってしまう。国会を動かして、なんらかの対策を練るのが政治家の務めではないだろうか。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。