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構造改革をどう生きるか

職業体験事業を中心に一般競争入札をすることに決定

 ところが、ここには非常に大きな制約があった。冒頭に述べた特殊法人の整理合理化計画である。渡辺行革大臣はとにかく今すぐ廃止したくてたまらない。政治家として、こうした大きな建物を廃止することは勲章になるからだ。

 渡辺大臣と政府がやりあった結果、妥協の産物として「1年以内に存廃を決める」となったのだが、これが厄介なのである。

 もし、この条件のもとで「民間に自由にやっていい」というとどうなるか。例えば、宿泊施設をつくろうとしても、1年ではとても設備投資が回収できない。これでは誰も手を挙げられないではないか。

 それを解決するには、雇用・能力開発機構の存廃とは切り離して、「私のしごと館」の運営をするしかない。わたしは、委託期間を10年として競争入札するよう求めたのだが、残念ながらそれは受け入れられず、結局2年間ということ進めることになった。

 こうして、民間委託にあたっての方針として、「職業体験事業については必須とするが、それ以外の事業については事業者の創意工夫に委ねる」「委託期間は2年とする」などを有識者会議で取りまとめたのである。

 民間委託された後の「私のしごと館」は、職業体験事業について、当初は6億円程度の財政援助が必要であると見積もられた。もちろん、運営の効率化と体験費用を多少値上げすることなどで、収支均衡を目指してもらう。

 まあ、少なくとも年間十数億円の赤字が、1桁の億の単位に圧縮できるのだ。あとで述べるが、これは単なる赤字なのではなく、日本の将来にとって意義のある事業だと考えれば、多少の赤字もやむを得ないという考えかたもできる。

 厚生労働省の肩を持つわけではないが、厚生労働省職業能力開発局もまた「教育機関的な意味合いがあり、政策としても必要」だと述べている。

 こうして、とにもかくにも「2年間という期間をもって入札する」ことで入札参加企業を6月上旬から募り、7月中に入札・契約を行い、9月1日から民間委託という予定がようやく見えてきたのである。

 ところが、こうした方針を根底から引っくり返す、無責任かつ不見識な発言が飛び出した。その発言の主こそが、渡辺大臣その人なのである。

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