バックナンバー一覧▼

構造改革をどう生きるか

修学旅行の生徒に人気のある職業体験

 まず、「私のしごと館」のメインの役割から紹介しよう。

 職業情報の提供、体験記の展示といったコーナーもあるが、なんといっても最大の目玉は体験学習の場である。

 これは、消防士、美容師から金属加工、フラワーアレンジメントまで、さまざまな職種を対象にして、地元の企業の協力のもと、本物の機械を使い、現場で仕事している人が指導をするコーナーだ。プロの仕事を実際に目にしながら、「仕事はこういうものだ」ということが体験できる仕組みになっている。

 お客さんは修学旅行の生徒が多い。確かに不便な場所ではあるが、バスでやってくるから問題はない。生徒が館内を自由に見て回り、職業体験をして帰っていくというのがもっとも多いパターンである。もちろん一般の大人の利用もある。

 教えるほうはボランティアではないが、企業は生徒から材料費分ほどしか取っていない。事実上タダといってもよい。講師もたいした報酬をもらっているわけではなく、2006年度の報酬の総額は1億6200万円程度という。

 2007年度の入場者数は32万4758人。リピーターも多く、延べ利用数は50万人を越えている。そのうち、職業体験をした人は23万1000人にのぼっている。こうした施設にすれば、かなりの数ではないかと思う。

 だが、毎年十数億円の赤字はいかんともしがたい。では、どうすればよいのか。それを有識者会議では徹底的に話し合った。

 その結果、この職業体験の機能自体は残したほうがいいということになった。ほかでは得られない機能であり、しかも地元企業や自治体の協力もとりつけ、参加者の評判もいいからだ。

 ただし、そこにあまりにも雇用保険2事業の財源をつぎ込むのはよくない。そこで、機能をすべて民間にゆだねようという方針をまとめた。公的団体が運営するよりも、民間のほうが効率的にできるのは明らかだ。

 ことばは悪いが、民間に場所を貸して丸投げするわけである。もちろん、当初はある程度の補助は必要になるが、確実に赤字幅が縮小する。これで間違いなく行政改革につながるというのが、わたしたちの結論であった。

あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください

SAFETY JAPAN メール

日経BP社の書籍購入や雑誌の定期購読は、便利な日経BP書店で。オンラインで24時間承っています。