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構造改革をどう生きるか

第136回
“基礎年金の財源=消費税18%”の欺瞞

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2008年6月9日

 5月20日の朝刊一面を見て、「あっ」と驚いた人は多いだろう。例えば朝日新聞には、「消費税9.5~18%の試算」という見出しが踊っていた。

 これは、基礎年金の財源をすべて税金で賄った場合に、2009年度に消費税を何%まで引き上げる必要があるのかという数字である。試算したのは、政府が設置した社会保障国民会議だ。

 この見出しを見た国民は、「税方式にすると、そんなに多くの負担が必要になるのか」と思ったに違いない。特に18%という数字にインパクトがあった。わたしの周囲の人に尋ねると、誰もが「18%も必要になるんだって!?」と口を揃える。

 実は、この18%という数字は、さまざまなケースを想定したうちの最大限の数字である。これが一人歩きをしてしまったのだ。

 もっとも、その数字に信頼性があればまだしも、よく読んでみれば、18%という数字は現実的にはあり得ないケースを想定していることが分かる。それだけではない。最低線とされた9.5%という数字でさえ、そこには大きなごまかしが隠されている。

 この試算は、まれに見る欺瞞(ぎまん)の固まりである。いったい、なんのためにこんな発表をしたのか、わたしはその意図を疑わざるを得ない。

 では、この数字のどこに問題があるのか、一つずつ検討していくことにしよう。

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