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構造改革をどう生きるか

第133回
公務員住宅を廃止して公平な社会に

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2008年5月19日

 道路特定財源の暫定税率廃止は、わずか1カ月の短命に終わってしまった。だが、国会でのやりとりのなかで、それまで知られていなかった道路特定財源の実態が明るみに出てきただけでも意義はあったといえよう。

 わたしが詐欺的だと思うのは、道路特定財源のうち道路整備以外に6000億円もの金がつぎ込まれていた点である。なかでも注目したいのが、道路担当の国土交通省職員用の宿舎を、民間から借り上げるために支払われた金である。

 宿舎は全国で145戸あり、家賃として昨年度は総額1億5114万円が道路特別会計から支払われていたという。これに対して、入居した職員が支払った家賃の総額は1971万円。この差額である1億3143万円が道路特別会計の公費負担ということになる。

 わかりやすいように、1戸あたりに直してみよう。国土交通省は、民間から月8万7000円で宿舎を借り上げて、それを職員にわずか月1万1000円で貸していた計算になる。つまり、1戸あたり7万6000円もの財政負担となっているのだ。これで、図らずも公務員住宅のコスト構造というのが見えてきた。

 確かに、公務員が安い家賃で官舎に入るというのは、以前から行なわれてきたことであり、業務によってはそれに意味があるかもしれない。また、一般の公務員住宅の場合、国が国有地の上に建物を建てて、その償却費と修繕費相当を家賃として取るという構造になっているので、すべてが上記のようなコスト構造になっているわけではない。

 だが、そうしたことを考慮に入れた上でなお、公務員住宅は原則として廃止すべきであるとわたしは思うのだ。

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