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構造改革をどう生きるか

解散総選挙でねじれ解消が望ましいが……

 減税を行なわず、緊縮財政を維持する理由として、日本の財政が危機的な状況にあるからという弁明がよくなされる。だが、予算べースでみると、2003年度から2007年度までの4年間で、日本の財政のプライマリーバランス(基礎的財政収支)は15兆円改善している。そのうちの12兆円が税収増によるものであり、歳出削減による貢献は3兆円にすぎない。

 つまり、財政を再建させる最善の方法は、景気を回復させることなのだ。稼ごうともせずに、ただ節約するだけでは、たいした効果がないのである。

 しかも、いまの日本は緊縮財政を採らなければならないような財政状態ではない。確かに、財務省が発表した昨年末の債務残高は838兆50億円で、1年前と比べて5兆7419億円増加となり、新聞各紙は「過去最高の債務残高」と危機を報じている。しかし、この債務残高には、財投債と政府短期証券という、本来の国の借金とは性格を異にするものが2つ含まれている。

 そのからくりは、「第103回 国の借金は「実額」で減っている !?」で述べたとおりであり、この2つを除いた長期債務残高は、1年前の597兆5443億円から594兆6347億円へと、2兆9096億円も減少した。

 つまり、国が抱える本当の借金はすでに減少に転じているのだ。この衝撃的な事実を誰も指摘しないのは不可思議なことである。

 いずれにしても、そうした財政好転のなかでも、政府は増税と歳出カットの手を緩めようとはしない。まさに「財政再建原理主義」である。緊縮財政こそが善であるという政府・自民党の思い込みに基づく財政政策が、いまの日本を駄目にしているのだ。

 一方、民主党は前回も述べたように、「金融引締め原理主義」で日銀と組んでしまった。

 その結果、自民党の意向で財政出動ができず、民主党の意向で金融緩和ができない--つまり、いまの日本の政治状況では、景気対策を打つことが一切できないのだ。残念ながら、国会のねじれ現象は、少なくとも経済に関しては無策をもたらしているだけなのである。

 やはり、国会のねじれは、一日も早く解消しなければならない。一日も早い解散総選挙を実施しないと、日本経済はずるずると落ちていくだけになる。

 もっとも、総選挙で自民党が勝った場合、構造主義を信奉する町村派から総理を出す限り、財政出動はないと考えるべきだろう。しかも、日銀総裁はすでに金融引締め派と目される白川氏に決まったので金融緩和は望めない。これではアウトである。

 自民党が勝って景気がよくなる唯一のシナリオは、抵抗勢力側から総理を出すことだろうが、それはかなり難度が高い。

 民主党が勝った場合はどうか。暫定税率廃止という一定程度の財政出動は望めるが、そこからさらに思い切った財政出動に出るかといえば、そうしたことは彼らが常日頃から批判していることだからして難しい。そして何より民主党は「金融引締め原理主義」である。

 こうなると、短期間のうちに日本の景気がV字回復していくのは、残念ながら絶望的としか言わざるをえない。今年後半に株価はもどるかもしれないが、庶民の家計や中小企業の会計はまだまだ冷え込みを覚悟しなければならないだろう。

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