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構造改革をどう生きるか

消費者が出している答えをなぜ無視しているのか

 西田社長のHD-DVD撤退の会見は、トップが明確な判断を示したという点で評判を呼んだが、当面の経営についてはあまり語られなかった。

 記者会見では、現時点でブルーレイを製造・販売する考えはないとした。では、どうするのかという記者団からの質問に対して、「未定です」と答えている。いくらなんでも、それはないのではないか。

 東芝はデジタル家電を収益の柱にするとしてきたはずだ。HD-DVDの抜けた穴を埋める方策を早期に打ち出すべきだろう。半導体で一歩先を走るという夢を追うのはいいが、「半歩先まで」という認識が東芝に欠如していることにわたしは危機を感じている。

 では、どうすればよいか。答えはすでに消費者が出しているではないか。なぜ、RD-A301が人気を呼んだのかを考えるべきだ。いまどき、発売から時間がたっているのに実買価格が上がる家電製品などほかにはない。何を消費者が求めているかは、火を見るより明らかだ。

 たしかに、容量の少ないDVDにハイビジョン番組を収めようとして、圧縮度を高めて記録しているために、ブルーレイにくらべてほんの少し画質は落ちる。東芝の技術者はそれを心配しているのかもしれない。

 だが、実際に見ればわかるが、一般の消費者が気にするほどの違いはない。従来のアナログ放送の録画にくらべれば、画質は格段に上である。

 細かい画質や音質をとやかく言うのは、メーカーの技術者や一部のマニアに過ぎない。それよりも、一般消費者は便利さや楽しさを求めるのである。CDよりも音質の劣るiPodが売れていることからも、それは明らかだ。

 もちろん、わたしが求めているような機能を持つ製品を売り出しても、3年か5年程度しかもたないかもしれない。ブルーレイの普及が進んでいけば、ブルーレイディスクも価格が大幅に下がっていくと思われる。だが、この変化の激しい時代に、3年ももてば十分ではないか。それで食いつないだあとで、メモリー録画で勝負にでればいい。

 だいたい、RD-A301からHD-DVDの基盤を外して売ればいいだけだから、つくろうと思えば1カ月でできる。新しい研究も必要ないから、投資は最小限で済むはずだ。

 残念ながらわたしは東芝の株主ではないが、もし株主だったらIRでガンガン要望したいところである。

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