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構造改革をどう生きるか

第121回
一見インフレの現在の状況は、デフレである!

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2008年2月25日

 先日、ドイツ国営テレビの記者と話をする機会があった。そこで話題になったのは、世の中の大半が、インフレとデフレの判断について誤解をしているという点である。

 私は以前から「デフレだから金融緩和をしなくてはいけない」と主張し続けている。ところが、周囲の人たちは「でも消費者物価は上がっているじゃないですか。これはインフレでしょう」と笑う。確かに、1月25日に発表された昨年12月の全国消費者物価指数は、前年同月比で0.8%も上昇した。

 しかし、インフレ・デフレの判断は消費者物価で行なってはならないのだ。なぜかといえば、現在の物価上昇は、需給が逼迫したことによる上昇ではないからである。けっして景気が過熱しているわけではない。

 ただ単に、原油や穀物などの輸入物価が上昇したことによるコストアップに過ぎないのだ。むしろ、いま起こっているのは付加価値の圧迫である。輸入物価の上昇を、製品価格に転嫁できないのが問題なのだ。

 では、インフレかデフレかは、どう判断すればよいのか。そして、現在の日本の経済状況に対して、どういう対策をとれば有効なのかを検討していきたい。

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