次は家康の出番 ―― まともな経済が長く続く
だが、そろそろ雲行きが怪しくなってきた。商品投機は、しょせんゼロサムである。無限に値段を上げるわけにはいかない。石油にしても小麦にしても、ある程度以上価格が上がると、代替商品が登場してそれ以上は上がらなくなる。遅かれ早かれ、原油や穀物の値段を上げるだけ上げてしまったところで、またそこでもマネーは新しい投機先を探すことになるはずだ。
わたしは、その金がまた日本にやってくると考えている。今は実体経済に比べて、あまりにも株価が安すぎるために、お値打ち感があるからだ。「日本はもう没落」「株は上がらない」と触れ回っている評論家たちが、その水先案内人だと思えばよく分かる。
もっとも、日本にマネーが入ってきても、2003年のようにリターンが10倍になることはないだろう。本コラムの第116回、「日本は没落した」はハゲタカの言葉で示したように、せいぜい1.8倍というところだろう。日本では1回刈り取りが終わっているために、上げられる余地は小さいからだ。
こうして、現代という戦国時代に世界を駆け回ったあぶく銭は、目ぼしいところをあらかた食いつくしてしまった。やがて行き場を失い、価値を下げつつ消えていくことになるだろう。
そのあと何が来るか。わたしは、まともな経済が長期間続くのではないかと見ている。信長、秀吉の時代は終わって、そろそろ家康の出番ではないかと思うのだ。
得体のしれない若者が、一夜にして何十億円稼ぐという金融資本主義の時代は、そろそろ第4コーナーを回ったのではないか。まじめにモノやサービスをつくった人が、働きに応じて所得を得るという、当然の社会が再びやって来るのではないかと期待している。
ただし、行き場を失ったマネーが、最強のフロンティアを作り出そうとして戦争を引き起こすという危険性もゼロではない。
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