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構造改革をどう生きるか

第113回
都市から地方へ ~ 税移転の裏にあるシナリオ

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年12月21日

 12月11日に自民、公明両党のそれぞれの税制調査会が、平成20年度の税制改正大綱の概要をまとめた。その内容はいろいろあるのだが、重要なのは次の2点だろう。

  • 揮発油税の暫定税率を10年間継続すること
  • 法人事業税の半分を地方法人特別税とし、人口や従業者数に応じて自治体に配分すること

 1の揮発油税は、地方道路税と合わせて「ガソリン税」と呼ばれる税金である。原油価格の高騰によって、暫定的に税金を上乗せして徴収しているのだが、それを今後も継続しようというわけだ。

 2の法人事業税は、法人所得にかかるので、もともと大都市への偏在度が高い。その半額を、名目を変えて人口、従業者数比で配分すると、地方の取り分が多くなる。それによって、経済的に疲弊している地方を、少しでもうるおしてやろうというのである。

 この税制の導入により、従来とくらべて東京都は3000億円、愛知県は400億円、大阪府は200億円、税収が減少することになる。

 東京都の石原慎太郎知事は、当初から「地方自治の根幹が崩れる」として、この案に猛反対してきたが、それは立場からして当然のことだろう。

 しかし、11日に行われた福田総理との会談で、やけにあっさりと変更を了承した。「泣く子と地頭と政府には勝てない」と苦汁の選択であることを強調したが、受け入れた理由の一つには、都知事選挙のときにお世話になったお礼という意味合いもあるのだろう。

 だが、転んでもただでは起きない石原知事のことである。今後の東京都の政策について、いろいろと政府の言質をとったようである。

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