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構造改革をどう生きるか

地方都市は背伸びをしないで普通の町を目指すべき

 もちろん、これまでも退職者の田舎への移住はよく話題にのぼってきた。農村で定年帰農をしたり、沖縄で南の島暮らしをしたりするのを理想としている人も多いが、急激な環境変化や地元の人との付き合いなど、実際問題としてかなりきついものである。

 そして誰もが口を揃えて不満をもらすのは、田舎に移住すると文化的な刺激がほとんどないという点である。確かに、自然環境に恵まれていて、物価も安いし、家も広くてゆったりするかもしれないが、都会で暮らしていた人にとっては、やはりある程度の刺激がほしいのだ。

 それならば、そこそこ都市機能がある地方都市のほうがずっと暮らしやすい。地味であっても、普通でゆったりと便利に暮らせる町が、当たり前だがこれからのトレンドになっていくのではないだろうか。

 そう考えると、熊本のような一見中途半端に見える都市は、潜在的な価値を持っていることが分かる。例えば、こんなふうにアピールしてみたらどうだろうか。

「日常生活は歩いていける範囲内でまかなえるので、年をとっても住みやすいですよ」「公共交通機関が整っていますよ」「文化的な刺激がほしくなったら、新幹線で35分程度で福岡に行けますよ」

 酔っぱらって歩いて家に帰れる生活はいいものだ。巨大化した都市は、かえって不便なことが多い。熊本空港では飛行機が着陸してから数分で飛行機を降りることができる。ところが、羽田空港ではひどいときには20分近くかかって、ようやくエプロンにたどりつく。そして、急いで帰ろうとタクシーに乗ったときに限って、首都高が渋滞して多大な時間を浪費する。

 確かに、東京や福岡のような大きさでないと実現できないこともある。しかし、地方都市は無理に背伸びをせずに、できないことは大都市に任せてしまうということを考えるべきである。高速交通網が出来たからこそ、そうした役割分担が容易になるのではないだろうか。

 これまでは、どこもかしこもが大都市をまねてきたが、そんなことができるわけがない。大工場を誘致して都市が大きくなるという時代でもなくなった。もはや、地域政策自体を切り換える時期に来ているのではないか。

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