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構造改革をどう生きるか

第110回
厚生年金を払っても貧困層になる可能性

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年12月03日

 今、年金問題といえば、宙に浮いた5000万件の年金の処理はどうなるか、そして基礎年金の国庫負担引き上げの財源として消費税率を上げるかどうかの2点に集中していると言っていいだろう。

 ところが、年金にはそれに勝るとも劣らない大問題があるにもかかわらず、なぜかあまり取り上げられていないのは不思議である。その問題とは、きちんと厚生年金の保険料を支払ってきた人が、貧困生活に陥ってしまう可能性があるという話だ。

 今年4月26日に厚生労働省は、厚生年金の標準モデル世帯において、将来の年金受け取り額の推計結果を発表した。それによると、現役世代の手取り収入に対する比率を示す「所得代替率」は、次のようになった。

 例えば、現在65歳の人は59.7%であり、現役世代のほぼ6割の年金をもらっていることが分かる。ところが、10年後にその人が75歳になったときには48.1%に低下。さらに85歳のときには41.3%まで下がってしまう。その後の世代についても、やはり年とともに緩やかに低下して、どの世代でも最終的には41.3%に収束していくというのだ。

 これまで政府は、年金の受け取り額について、現役世代の手取りの50%以上を確保すると明言してきたはずである。その約束は、いつのまにか反故にされてしまったわけだ。

 だが、これは単に約束を守らなかったかどうかという話ではない。その裏に非常に深刻な問題を抱えているのである。

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