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構造改革をどう生きるか

第104回
郵政民営化の先にある恐怖のシナリオ

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年10月22日

 10月1日から郵政民営化がスタートした。当初、小さなコンピューターのトラブルはあったものの、大きな混乱もなく、まずまずの出だしであったといえよう。メディアの報道も総じて祝賀ムードで、これでいよいよ金融が正常化するといった政府寄りの発言が目立っていた。

 ところで、郵政民営化は、2年前の総選挙で圧倒的な国民の支持を得たことになっているが本当だろうか。冷静に思い起こしてみれば、小泉純一郎対造反組の政治ドラマを見て、「悪代官をやっつけろ」というイメージで投票した人が大部分ではないのだろうか。郵政民営化が本当に行われるとどういうことが起きるのか、国民が細かい議論をしたとは思えない。

 そこで、民営化された今の時点で、本当に郵政民営化にメリットがあるのか再確認してみたい。

 政府が主張する郵政民営化のメリットは次の三つだ。

  • 競争原理の導入と経営の自由化によって、業務分野の拡大やサービスの改善が図られ、利便性が向上する。
  • 民営化された各社が民営に移行したことで、法人税や印紙税の納付義務が生じるために国の税収が増え、財政再建に貢献する。
  • 自由に資金が運用できるようになり、従来のような郵政から財政投融資への自動的な資金移動がなくなり、特殊法人の合理化が進む。

 まさにバラ色の未来が描かれているのだが、本当にそうなのだろうか。むしろわたしは、今回の郵政民営化は、国民にとってはメリットよりもデメリットのほうが、はるかに大きい気がしてならないのだ。

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