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構造改革をどう生きるか

第103回
国の借金は「実額」で減っている !?

経済アナリスト 森永 卓郎氏
2007年10月15日

 いささか旧聞に属するが、今年8月25日、新聞各紙に次のような見出しが踊った。

  「わが国の借金が史上最高を更新」
  「国の借金は836兆円 6月末も過去最高に」

 これは、前日に財務省から発表された、6月末時点での「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」を受けての報道である。

 しかし、本コラム「第94回:順調に進む財政再建」でも指摘したように、財政の状態は単に債務残高の額自体で比較してもあまり意味がない。一般家庭に例えれば、借金が増えてもそれを上回る収入があれば、借金の重さを相対的に減らすことができるわけだ。国の財政で言えば、借金は債務残高に、収入は名目成長率に当たる。つまり、債務残高の総額も大切ではあるが、それよりもGDP比率の値のほうが重要だというわけである。

 実際に、債務残高のGDP比率は、2005年度に1.64倍だったものが、2006年度は1.63倍に低下。財政再建目標が曲がりなりにも達成され、日本の財政が健全化の方向に歩みはじめたというのが、第94回の要旨であった。

 だが、もし債務残高自体が減ったとしたらどうだろう。それが実現すれば、財政健全化にとって、これほど喜ばしいことはない。

 そこで、上記の「国債及び借入金並びに政府保証債務現在高」をよく見てみると、実は債務残高自体も減っていることが読み取れるのだ。「新聞には、借金は史上最高を更新」と書かれているではないか」と反論されるかもしれないが、そこが数字のマジックなのである。

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