第10回
「郵政民営化」はすでに始まっている!
~国民をリスクにさらす投信販売の実態~
経済アナリスト 森永 卓郎氏
2005年12月12日
郵便局が史上初めてリスク商品を販売
郵便局投信販売スタート
投資信託の販売開始セレモニーに登場したキャラクター「ますます君」。右は生田正治総裁。投資信託がますますわかるようにと命名(東京・新宿郵便局)
(写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています)
2005年10月3日から全国の主要な郵便局で投資信託(以下、投信)の販売が始まった。郵政民営化の法案は先日、国会を通過したばかりだが、私はこの10月3日をもって、郵便局は様変わりし、民営化が始まったのだと思っている。
というのも、郵便局が史上初めて、元本保証のない金融商品を発売したからだ。投信とはご存じの通り、顧客から集めた小口資金をまとめて、投資信託会社が株式や債券、外貨などで運用し、その成果を分配する商品だ。値動きのある資産に投資をするので、そのリスクは高く、値上がりや値下がりも投資家がリスクを負うことになる。
実は、私自身もバブルの絶頂期に平均株価に連動する投信を買ったことがある。その投信を10年ほど保有したが、最終的には買った値段の4分の1近くに下がってしまった。もちろん、いまの時点で、そんな暴落は起こらないとは思うが、それだけのリスクのある商品だということは理解しておくべきだろう。
郵便局はこれまで貯金者を一度も裏切ったことはない。保険会社もかつて変額保険で多くの顧客の財産を失わせた。だが、郵便局が簡易保険で損をさせたことなどないのだ。
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