第6回
右傾化への歯止めがなくなった小泉政権
~報道の間隙を縫って“平成版・治安維持法”が成立する!~
経済アナリスト 森永 卓郎氏
2005年11月15日
小泉内閣はなぜ結果的に戦争へのレールを敷くのか
小泉自民党大勝後の日本に予想される「増税」「インフレ」「戦争」という3つのリスクのうち、今回はもっとも私が恐れている「戦争」へのシナリオについて考えてみたい。
再軍備、そして戦争へのシナリオを考える場合、確かに総選挙での自民党の圧勝は大きな意味を持っている。だが、それ以上にインパクトがあると私が考えるのは、民主党の代表に前原誠司氏が選出されたことだ。
党首討論・握手する前原代表
党首討論終了後、(右手前から)鳩山由紀夫幹事長、江田五月参議院議員会長、輿石東参院幹事長ら党の長老と握手する民主党の前原誠司代表(左)(東京・国会内)
(写真提供:時事通信社。なお同写真およびキャプションについて、時事通信の承諾なしに複製、改変、翻訳、転載、蓄積、頒布、販売、出版、放送、送信などを行うことは禁じられています)
前原氏は、代表就任前は、民主党の「次の内閣」の防衛担当大臣であった。彼は、「戦力の不保持」を規定した憲法9条第2項の改正を以前から表明しており、「集団的自衛権」についても「行使するべき」という考えを述べている。
「集団的自衛権」とは、要するに「仲間がやられたら、やり返す」ということ。もっと簡単にいえば、アメリカが戦争をしたら、日本も一緒に戦争に行くということなのである。
前原代表の考え方は、自民党よりも右寄りの政策といっても差し支えない。そういう人物が野党第一党の代表に選出されたこと自体、世の中の「空気」が、そのまま民主党の代表選挙に及んだことを感じさせる。
こうした背景のもと、日本は再軍備への道をまっしぐらに進んでいる。
10月28日には、自民党が「憲法改正草案」を決定。「戦争放棄」を定めた第9条第1項は維持するものの、第2項を削除して「自衛軍」を保持することを明記している。
国軍としての地位を与えられた「自衛隊」、いや「自衛軍」が、いつの日か戦争に巻き込まれていくのは、もはや時間の問題といってよい。
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