「安全」は中古マンションの大きな価値に
実際、耐震診断を実施するための合意を得ることは簡単ではない。診断の結果、もし耐震性に劣ると判断されようものなら、中古マンション市場における価値が低下して転売しにくくなると危惧するからだ。確かに、難しい問題ではある。
しかし、冷静に考えていただきたい。マンションの安全性は住む人の命に直結する重要な要素だ。しかも診断を避けたままでは、問題は解決しない。まずは診断だけでも実施して住まいの状態を正確に知ることが、自分たちの生活の安全考えていく第一歩ではないか。
将来、中古マンションや賃貸住宅の市場で、耐震性の評価を示すことは当たり前になっていくはずだ。今でも宅地建物取引法では、立地や用途地域をはじめとした重要事項を顧客にきちんと説明することが義務づけられている。その項目に「耐震診断の有無」を加えるべきだという議論は既に出て、検討が始まっている。
今後、耐震診断の有無が説明義務となる可能性は高い。こうして耐震診断について情報公開するようになれば、マンション管理の在り方も変わっていくだろう。耐震診断を避けること自体がマンションの価値を低下させる。マンション管理に「耐震診断」や「耐震改修」の概念は欠かせなくなってくる。
賃貸マンション、オフィスでも耐震性が重要な選択基準に
最後に賃貸マンションについても簡単に触れておこう。
分譲マンションと異なり、耐震診断と耐震改修は家主の責任で実施される。居住者に決定権はないが、家主に対して「耐震診断をしたかどうか」を聞いてみることは大切だ。また新しく入居する際も、耐震診断をしている建物かどうかを確認するようにしたい。
いずれにせよ言えるのは、分譲や賃貸の別にかかわらず、マンション市場において耐震性が重要なファクターとなりつつあるということだ。企業では既に、オフィスビルの選択基準のなかで働く人の安全を確保するためには、耐震性は重要な位置を占めている。居住者が同じような意識をもつようになる日も遠からずやってくるに違いない。
おしえてBP!
防災 ・災害
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