第5回
地域安全マップを全国に普及しよう
犯罪社会学者 小宮 信夫氏
2005年10月5日
知事スタッフ、教育委員会、警察本部が連携する
これまで説明してきたように、地域安全マップづくりは、正しい方法で行えば、子どもの被害防止能力やコミュニケーション能力を向上させ、さらには、子どもの地域への愛着心や子どもを地域で守るという大人の防犯意識も高められる。
私とゼミの学生は、地域安全マップの正しい作製方法を広めるために、全国各地で地域安全マップづくりをお手伝いしている。8月には広島県で、9月には青森県でマップを作製した。
広島県では、現在、知事部局、教育委員会、警察本部が共同して、「子どもの安全な環境づくり緊急プロジェクト事業」が展開されている。私も、広島県「子どもの安全な環境づくりアドバイザー」として、このプロジェクトをお手伝いしている。
8月27日には、広島市立中筋小学校において、小中学生による地域安全マップづくりが行われた。このマップづくりには、広島市安佐南区にある、24の小学校の代表児童51名と、12の中学校の代表生徒24名、それにオブザーバーとして、各小中学校の教員36名が参加した。
キーワードは「入りやすい場所」と「見えにくい場所」
最初に、私から、「入りやすい場所」と「見えにくい場所」という、犯罪が起こりやすい場所を見極めるための二つの基準を子どもたちに教え、その後に、グループに分かれてフィールドワーク(街歩き)を実施した。
フィールドワークでは、私のゼミの学生(犯罪社会学を専攻)12名が、各グループの指導者として子どもたちを引率し、その補助者として、地元の安田女子大学、呉大学、福山大学の学生12名も同行した。小学校に戻ってからの地図作製でも、一つのグループに、立正大学の学生1名と地元の大学生1名が付いて指導した。このような態勢で臨めば、子どもへのきめの細かい指導が可能になる。(参考:中国新聞記事)
中学生(広島)による地域安全マップづくり
翌28日には、広島市安佐南区民文化センターにおいて、「子どもの安全な環境づくりセミナー」が開催され、住民ボランティアや教員など大人61名による地域安全マップづくりが行われた。子どもにも分かりやすく、子どもから注目される地域安全マップを目指して取り組んだ。その過程で、参加者は皆「子ども」に戻っていた。この方たちが、いずれ各学校や町内会に派遣されて、地域安全マップ作製指導員として活躍することになる。
大人(広島)による地域安全マップづくり
大人(広島)が作製した地域安全マップ
この連載のバックナンバー
- 地域安全マップを全国に普及しよう (2005/10/05)
- 子どもたちの危険予知能力をどう磨くか (2005/09/12)
- 子どもたちに「地域安全マップ」をつくらせよう (2005/08/26)
- 自治体は「犯罪に強い地域」づくりを目指せ (2005/07/28)
- 原因の追求よりも、犯罪機会を減らす努力を (2005/07/11)

