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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

第98回
北朝鮮のミサイル発射があらわにした日米同盟の希薄化

国際問題評論家 古森 義久氏
2009年4月14日

 北朝鮮のミサイル発射が日米同盟の希薄化という新たな現実を示した――

 

 北朝鮮の4月5日の弾道ミサイル発射は全世界に衝撃波を広げた。衝撃の度合いはもちろん国によって異なるが、北朝鮮という無法国家が「人工衛星打ち上げ」の名の下にこうした発射実験を繰り返す目的は、明らかに長距離や中距離の弾道ミサイルの威力を高めることだろう。だから発射自体が国際社会全体にとっての脅威や不安定の要因の増大となる。

 なかでも北朝鮮の至近距離に位置し、北朝鮮とは日本人拉致事件などで国家利害が対立する日本にとっては、そのミサイル脅威の増大は深刻である。北朝鮮が日本の国内の要衝に弾頭を装備したミサイルをいつでも、どこにでも撃ち込める能力を保持し、誇示して、恫喝に使えば、日本側の国家意思を捻じ曲げ、抑えつけることができるようになるからだ。つまり日本を脅しつけて、自国の意思に屈服させることがより容易ともなるのである。さらには北朝鮮が実際に日本領土に向けてミサイルを撃ってくる可能性も、ないとは断言できない。

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