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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

第97回
間近に迫るテポドン2号の脅威を読み解く

国際問題評論家 古森 義久氏
2009年3月31日

 北朝鮮の弾道ミサイル発射の展望が日本や米国を揺るがせている。発射の予定日と目される時期もいよいよ迫ってきた。北朝鮮当局は人工衛星の打ち上げだと主張しているが、北朝鮮の過去の言動を見ても、現在の実情を見ても、打ち上げ準備の対象となっている実体が軍事的な弾道ミサイルであることは確実だといえよう。

 この北朝鮮のミサイルの打ち上げを告げる実際の動きを詳細に追うことも重要だが、その一方、こうした動きのより広範な意味を考えておくことも同様に重要である。北朝鮮のミサイルの開発、配備、そして発射の構えは国際的にどう位置づけられるのか。あるいは日本の安全保障にどのような意味を持つのか。米国の安全保障にとってはどうなのか。こうした諸点の考慮も欠かせない。

 北朝鮮のミサイル開発を含む軍事動向についての最大量の情報を持つのはやはり超大国の米国である。北朝鮮は自国を外部から遮断した閉鎖国家、秘密国家であることは周知のとおりだ。こうした閉鎖国家の内部の動きをつかむには特殊の情報収集手段が必要となる。

 一つは高空から人工偵察衛星によって文字どおり偵察する方法である。北朝鮮の軍関連諸機関が発する通信を傍受する方法もある。北朝鮮の政府や軍の内部からの秘密の通報という事態もまれにはあるだろう。いわゆるスパイである。脱北者、亡命者が持っている情報を集めるという方法もある。要するに、インテリジェンス(諜報)と呼ばれる領域に入っての特殊の情報収集手段である。この種の手段の最大能力を有するのはごく客観的にみて米国だといえる。米国は情報収集の点でも超大国なのだ。

 その米国は北朝鮮の核兵器開発はもちろん弾道ミサイルの開発についても長年、研究や調査を重ねてきた。そうした結果の一端といえる報告書から北朝鮮のミサイルの全体図と特徴とを紹介しよう。

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