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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

報告書が提案する「普通の同盟」への条件

 報告書はそして新時代の新環境に備えた「普通の同盟」の実現のために、以下のような諸点を提案していた。

 (1)米国の対日防衛の再誓約  日米両国が中国と北朝鮮の軍事力の大幅増強を客観的に認め、一体となってアジア地域での戦略的な優位を保つための新たな措置をとる。具体的にはまず米国政府が対日同盟の重要性や日本防衛の抑止力保持への再誓約を表明する。

 (2)日本の防衛関連の制度改革  日本側の安全保障や防衛に関する政策の形成や決定の制度を改革する。現行制度は防衛に関する権限が分散され、効率的ではない。首相官邸の権限の強化が優先して求められる。防衛関連の人事面でもより統合されたシステムが必須となる。

 (3)自衛隊海外派遣の恒久法の制定  日米両国は国連の要請や国際テロ対策、人道支援の必要などに応じてのグローバル安全保障への共同の貢献を増す必要があるが、日本は憲法に由来する制約から自衛隊の海外派遣はそのたびに特別の時限立法を作らねばならない。この不便を改めるため恒常的な自衛隊派遣法を制定する。

 (4)集団的自衛権禁止の解除  日米両国の今後の防衛協力で最重要とされるミサイル防衛では、日本側の集団的自衛権行使の禁止により、大幅な制約が存在する。現状では日本を防衛している米海軍、空軍や米国本土へのミサイル攻撃の捕捉に日本側は関与できない。この状態では健全な米日同盟は存続できなくなる。

  

 以上の4点もオバマ政権では(1)から(3)までは継続していくことが確実だろう。オバマ次期大統領はアフガニスタンでの対テロ戦争に力を入れる構えだから、日本にもインド洋での単なる給油活動以上の貢献や参加を求めてくる公算も高い。その際に日本側に自衛隊海外派遣を可能にする法律が恒常的に存在することが合理的なのは明白である。その都度、特別な時限立法を作るというのは不便このうえないことになる。

 しかしオバマ政権が(4)の集団的自衛権の行使を可能にする新政策を日本側に求めてくるかどうか、なお疑問の余地は残る。とはいえ、全体としてオバマ政権が日本にかける比重を微妙に下げる一方、日米同盟を堅持して、その立場から日本の国際安全保障、アジア地域安全保障へのこれまでよりも大きな参加や貢献を求めてくる、という展望がこの報告書の内容からは浮かびあがってくるようなのである。

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