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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

政治家としてあまりに未知なオバマ氏

 オバマ次期大統領に対するネガティブな反応の理由を考えると、まずオバマ氏が政治家としてあまりに未知であるという部分と、オバマ氏が過去に示してきた特異な軌跡という部分の両方が浮かびあがってくるようである。

 そもそもバラク・オバマとはどんな人物なのか。政治リーダーとしてはどんな思想を信奉し、どんな政策を実践しようというのか。このへんの部分を真剣に考えると、オバマという人物には思わずたじろがされるほど未知の領域が多いことにすぐ気がつく。明暗なら暗の部分が多いことをも認識させられる。

 アメリカの主要報道機関は今回の大統領選挙では極端なほど民主党に有利な報道を展開し、とくにオバマ候補への支持を一貫して基調としてきた。たとえば、ニューヨーク・タイムズ、ワシントン・ポスト、ロスアンジェルス・タイムズという大手新聞、そしてCBS、NBC、ABCの三大テレビネットワーク、さらにCNNテレビは、単に社説や評論のコメントでオバマ候補に有利な点を強調し、マケイン候補には不利な材料を大きく伝えるだけでなく、本来なら中立で客観的なはずのニュース報道でも民主党側への傾斜を顕著にみせた。その傾斜は明らかに「偏向」と呼べる次元だった。

 だからオバマ氏に関する否定的な情報は大手メディアではなかなか報じられなかった。明暗の「暗」、光と影なら「影」の部分はたとえ報道されても、ごく小さな扱いばかりだった。大きく、詳しく報じられなければ、一般国民は知らないままとなる。結果としてオバマ氏に関する報道では同氏のプラスで前向きの側面だけがことさら拡大されることが多かった。マイナスとなりうる側面は脇に押しのけられていた。暗のままに保たれたのだ。一般のオバマ報道では禁忌とかタブーとされた部分が多かったともいえる。

 たとえば、オバマ氏の「フセイン」というミドルネームはイスラム教やイラクの独裁者のサダム・フセインを連想させるから、表に出してはならない、という主要メディア側の過剰なまでの自粛がその実例だったといえる。このミドルネームの由来を調べれば、どうしてもオバマ氏の数奇な生まれや育ちに触れねばならなくなる。だが現実には大手メディアのそのへんの調査報道は皆無に近かった。

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