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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

第85回
米国の麻生首相観

国際問題評論家 古森 義久氏
2008年10月8日

 麻生太郎首相の誕生から2週間、同盟国である米国は日本のこの新首相、新政権をどうみているのか――。

 9月24日に正式に首相となった麻生太郎氏は、米国でも以前から割に知られた存在である。一般米国民の間での認知度こそ低いとはいえ、外交に関心を向ける識者、特に日米関係にかかわる官民の有識者たちの間での「アソウ」の知名度はきわめて高い。麻生氏が有力政治家として対米関係でも積極的な言動をとってきただけでなく、安倍政権の外相として活動した軌跡のためだといえよう。また、時には過激とも、脱線ともとれる問題発言を報じられてきたことも、米側の一部ではよく知られている。こうした背景から、米側での麻生氏への認識度も期待度も前任者の福田康夫氏が総理になった時よりはずっと高いといえそうである。

 麻生氏の政治家としての基本姿勢については、ワシントンの大手研究機関「ヘリテージ財団」のアジア専門の上級研究員ブルース・クリングナー氏が次のように論評した。「麻生氏の外交政策の見解は前任者の福田康夫氏のそれよりも米国との整合性が高い。そのことは歓迎すべき展開である。日本の政局が今後数カ月、どう変動するかにもよるが、麻生氏の首相就任は日米両国間の戦略的利害関係のより緊密な協調への希望を生んでいる」

 クリングナー氏はこの論評をヘリテージ財団の麻生首相誕生に関する報告書という形で発表した。「麻生氏の下で日米の戦略関係には明るい展望が生まれるが、なおチャレンジも残る」と題する報告書だった。ヘリテージ財団は周知のように保守系の有力シンクタンクで、現ブッシュ政権とのきずなも緊密である。そうした米国の保守勢力にとって、麻生氏の年来の政治理念や外交政策、安保・戦略観は共有部分が多く、歓迎すべき基本スタンスと見なされているわけだ。

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