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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

相手への憎しみは、本番選挙にも残る

 こうした民主党員たちの懸念の核心は、クリントン候補とオバマ候補があまりに激しく最後まで争うと、そのしこりが本番選挙にも残り、自分が支持しなかった候補が指名を受ければ、本番選挙では棄権、あるいはマケイン候補への投票に転じてしまう有権者たちを多く生むのではないか、という点にしぼられる。

 このような民主党内の分裂の可能性は、指名争いがどれほど激烈になるかにもよるが、その点で民主党側にとって不吉な事例となったのは、ニューメキシコ州知事のビル・リチャードソン氏のオバマ候補支持表明と、それに対するクリントン陣営からの猛烈な攻撃だった。リチャードソン氏といえば、ビル・クリントン大統領の下での国連大使やその他の閣僚ポストを歴任し、自らも今回の大統領選に名乗りをあげていた民主党の現役の大物政治家である。しかもクリントン夫妻とのきずなが公私ともにきわめて強い人物で、クリントン前大統領に重用された結果、全国レベルでも、国際的にも、はなばなしい活躍をするようになった。

 このリチャードソン氏が3月下旬にオバマ支持を表明すると、クリントン陣営からの怒りの反発がものすごかった。同陣営の有力幹部ジェームズ・カービル氏はリチャードソン氏を指して「裏切りのユダ」とまでののしったのだ。公開の場での発言である。

 こうした苛烈な闘いは当然、民主党内の亀裂につながる。

 さらに最近、指摘されるようになったのは、人種ファクターである。オバマ氏が黒人であることは選挙キャンペーンの前哨戦ではとくにそれ自体は論題にならなかったが、ここにきて前述の黒人教会のライト牧師の「反米説教」に加えて、クリントン陣営側にオバマ候補を黒人過激派政治家のジェシー・ジャクソン師にたとえる発言があいつぎ、黒人対白人という対決の構図さえ浮かびあがりかねない状況となってきたのだ。こうした現実は民主党側全体に深刻な懸念を生みつつあるといえるのである。

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