第68回
共和党マケイン氏の“真剣な”日本観
国際問題評論家 古森 義久氏
2008年2月12日
米国大統領選挙の共和党側最終候補にはジョン・マケイン上院議員が指名されることが確実となった。スーパーチューズデーと呼ばれる2月5日の火曜日、全米合計24州で実施された予備選や党員集会で、共和党側ではマケイン候補が決定的な勝利を飾ったからだ。
マケイン候補はミット・ロムニー前マサチューセッツ州知事やマイク・ハッカビー前アーカンソー州知事に大差をつけて、先頭走者に躍り出し、しかも共和党全国大会での指名に必要な代議員数を獲得する見通しを決めてしまったのである。
こうした結果が出たあとすぐに、第2位だったロムニー候補は選挙戦からの撤退を宣言した。「選挙運動を停止する」という表現だったが、実態は明白な選挙レースからの脱落だった。ハッカビー候補はなおマケイン候補の競争相手として残ってはいるが、代議員獲得のレースで逆転はできないことは確定する形となった。だから早くも2月中旬にして、共和党側の大統領候補は決まったわけなのである。
他方、民主党側は圧倒的なリードを誇っていたヒラリー・クリントン候補がバラク・オバマ候補に急追され、逆転された形になってきた。なお各州での予断を許さぬ接戦の代議員票獲得の争いが続いているのだ。
さて米国の大統領がだれになるかは日本にも重大な意味があることは当然である。だからそれぞれの候補が日本や日米関係に対し、どんな政策を抱いているのかを知ることも、重要となる。この連載コラムの前回、第67回「米大統領候補たちは日本をどうみるか」という題のレポートで、民主、共和両党の主要候補たちの日本への政策や認識を伝えたのも、そのためだった。
前回のレポートではマケイン候補がとくに外交政策では日本との同盟関係を重視していることを指摘した。日本の「価値観外交」や「自由と繁栄の弧」政策にも強い同意を表明したことをも報告した。
しかしマケイン氏は実はずっと以前から日本には強い関心や厳しい批判をも向けてきた。要するにジョン・マケインという米国の政治家の対外戦略のなかで日本が占める比重はきわめて大きくみえる軌跡が存在するのである。わたし自身がその軌跡を直接に記録する役目をも果たしてきた。今回はマケイン氏のそうした日本にからむ軌跡を報告したい。マケイン氏には日本に対する独特の思い入れがあるようにさえみえるのである。
あなたのご意見をコメントやトラックバックでお寄せください
この連載のバックナンバー
- 北朝鮮のミサイル発射があらわにした日米同盟の希薄化 (2009/04/14)
- 間近に迫るテポドン2号の脅威を読み解く (2009/03/31)
- 保守派の論客、ラッシュ・リムボウを知っているか (2009/03/17)
- 社会主義色が濃厚になったオバマ大統領の施策 (2009/03/03)
- ヒラリー訪日の意味 (2009/02/17)

