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“外交弱小国”日本の安全保障を考える

第67回
米大統領候補たちは日本をどうみるか

国際問題評論家 古森 義久氏
2008年1月29日

 米国大統領選挙が熱気を増す。民主党側ではヒラリー・クリントン候補とバラク・オバマ候補とが抜きつ抜かれつの激烈な戦いを展開する。共和党側ではジョン・マケイン候補やミット・ロムニー候補らが混戦の状態を続ける。そうした政治過程でも、気になるのは、この選挙戦の結果が日本にどんな影響を及ぼすか、であろう。

 だから選挙キャンペーンで日本がどのように語られ、論じられるかは、日本側にとっては大きな関心事である。日本がたとえまったく語られないにしても、それなりに意味があろう。「米国大統領選挙と日本」という命題は、たとえあまりに自己中心的な考察と映っても、一度はきちんと押さえておかねばならない課題なのである。

 しかし現実には2008年の米国大統領選挙では、「日本」は気持ちがよいほど、話題にはなっていない。共和、民主両党のどの候補も、選挙キャンペーンや討論会で、日本に言及することは、皆無だといえる。これから11月の最終投票日までの期間に、日本がなんらかの予期もしない理由で大きな論題になれば別だが、これまでのところは米国大統領選挙戦では、我が日本はあきれかえるほどの不在なのである。

 もっとも選挙戦で話題として出ないから、日本が米国にとって無意味だというわけではない。いまの米国にとって日本は重大な問題をなにも提起していないからこそ、話題にならないという側面も間違いなく、ある。トラブルがないから、論じられないわけだ。

 日本は米国の主要同盟国である。経済のパートナー、貿易の相手としても超重要である。それでも選挙戦で論題とならないのは、その米日関係が基本的にうまく機能しており、あえて論議する必要がないからだともいえる。英国は米国にとって、もっとも緊密な同盟相手だろうが、英国は米国大統領選挙では論じられない。米英関係も論争のテーマとはならない。同じような理由で日本が話題にならない、ということも十分にありうるわけだ。

 逆に中国やイラン、パキスタンという諸国が米国大統領選挙で論争のテーマとなるのは、米国とそれら諸国との関係が激しく揺れ動いているからだともいえよう。不安定や危険な状態にあるからだともいえよう。すべてがうまく機能していないからこそ、論争の的になるわけだ。

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