第64回
民主党オバマ、共和党ハッカビーの人気が急上昇
国際問題評論家 古森 義久氏
2007年12月18日
米国の大統領選挙キャンペーンがやっと公式の幕を開ける。1月3日のアイオワ州での党員集会で共和、民主両党の候補とも2008年の大統領選挙戦の長い公式プロセスで初めて、有権者から票を投じられるのだ。
「やっと」とあえて書いたのは、現実の選挙戦はとっくにスタートし、各候補とも選挙運動自体はもうとっくに進めてきたからだ。そしてアイオワの党員集会までわずか2週間余りというこの時期になって、選挙キャンペーンは様相をかなり変えてきた。
さてその変化を報告する前に、米国の大統領選挙とはいったいどんな政治行事なのか、その特徴の基本を改めて伝えておこう。
1月3日のアイオワ州党員集会から1月8日のニューハンプシャー州での予備選挙、1月19日のサウスカロライナ州での予備選と、投票日の11月4日に向けて、長丁場のキャンペーンが熱気を高めながら前進していくそのプロセスは、実に長く険しい道程である。
米国の大統領選挙のこのプロセスは各候補がボクシングの戦いを展開しながら、マラソンレースに同時にチャレンジするようなものである。共和、民主の両党の候補たちは最初は自らの党の指名を獲得するために、激しく内輪同士で争い、全国党大会で指名を得た最終候補は、ライバル政党の候補と対決して、雌雄を決することになる。
この気の遠くなるほど長い過程では各候補はありとあらゆる角度から指導者としての資質を吟味される。ときには自虐的、加虐的なまでの点検、挑戦、論戦を経て、候補たちがたがいに攻撃し、挑発し、反撃し、というものすごい戦いである。だから殴りあうボクシングと長い距離を走りぬけるマラソンと、二つが同時に組み合わさったような、苛烈な闘争なのだ。
この長く険しい政治プロセスの最大特徴の一つは、その展開の徹底した透明性である。どの候補がどんな過去を持ち、どんな実績を上げ、どんな政見を抱いて、何を語り、何を主張するか。各候補はどこからどれほどの資金を得て、選挙キャンペーンに投じるのか。そのすべてがガラス張りの透明なボックスのなかで展開されるのだ。
もちろん隠された部分もあるだろうが、各候補が自分に票を投じてほしいと、自分の政党支持者たち、さらには米国民一般にアピールする過程はすべて透明となる。透明性が民主主義政治のバロメーターであるならば、米国大統領選挙は民主主義の究極だとさえいえよう。中国の政治指導者たちの密室内での選出とは対照的である。
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